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仁の傷も癒えた頃、
星七のスマホに仁からの着信が入る。
「もしもし、仁?」
「星七、今 何してたの?」
「えっと、夕飯食べて、お風呂入って、
テレビ見てた」
「仁は? 今 何してるの?」
「俺? 俺は、今、星七の部屋の前」
「えっ?」星七が慌ててドアを開けた。
スマホを耳に当てた仁が立っていた。
「こんばんは。星七」
「仁、どうしたの?」
「空 見てたらさ、星七に
会いたくなったんだ」
「仁、嬉しい。ありがとう」
と星七がはにかんだ。
暫くの間、仁は星七と話をするとネオン街に帰って行く。
奉遷会事務所内に戻った仁。
夜の世界での生活、
裏社会での生活。
繁華街に出ると、綺麗な女が仁に群がる。
「仁、今夜 私とどう?」巧みに誘う女たち。
仁は無言で微笑むと女たちの間を歩き去る。
「兄~貴」怜央が仁の隣に歩み寄る。
クスっと笑う仁。
華やかなネオンの下を歩く仁と怜央、
誰もが彼らに頭を下げる。
仁が夜空を見上げると、
ネオンの光に反射して、夜空の星が霞んで見える。
「仁さん、怜央さん、会長がお呼びです」
新谷が二人に言った。
二人は顔を見合わせると、奉遷会事務所に向かって歩いて行った。
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