土曜の夜、そして

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部屋の中に入ったふたり。 仁がレイナに缶ビールを渡すと、 プシュッと弾ける音がして、二人は ビールを飲み干した。 「何か、楽しいな。ありがとう」 とレイナが微笑む。 「そうか、ならよかった。」 と仁も微笑んだ。 仁がレイナが持っていた缶ビールを 手から取るとテーブルに置いた。 レイナがゆっくりと仁に視線を送る。 仁は、レイナの首に手を回すと 彼女の唇に優しくキスをした。 仁の唇が彼女の唇から離れると、 二人は互いの目を見つめ合った。 仁はレイナの髪をかきあげると、 首筋にキスをする。 すると、レイナが身体を後ろにずらした。 「だめ? 」と仁が彼女に聞いた。 「お店ではしないのに、どうして? 」  とレイナが仁に聞いた。 「俺は、今客じゃなくて、ひとりの男として  好きな女性を抱きたいと思ってる」 それを聞いたレイナが言った。 「それじゃ、やっぱりだめだよ」 「どうして? 」 「私の身体、汚れてる。だからだめだよ」 「そんなの、関係ない。  俺は君のすべてが好きだ。  君の過去なんてどうでもいい。  今の君が好きだ」と仁が言った。 レイナは仁の頬に手を当てると 仁の唇に自分の唇を重ねた。 唇を重ね合うふたり。 彼は彼女のシャツのボタンをゆっくりと外し そして・・脱がせる。 彼女は彼のシャツを脱がせ裸にする。 鍛えた身体の彼、 白い素肌の彼女、 彼は、仁は、彼女の首筋に舌を這わせる。 彼女から甘い吐息が聞こえた。 仁は彼女の向きを変えると、 彼女の髪をかきあげ白いうなじに優しく 口づけをする。 ベッドの上で絡み合うふたり、 彼女はシーツに指を這わせる。 彼女の高揚した表情を見つめる仁、 彼に見つめられる彼女は、 身体の底から湧き上がる熱いものを感じた。 揺れるふたつの影は、止まることなく、 まるで、ふたりの情愛の強さを表しているようであった。
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