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部屋の中に入ったふたり。
仁がレイナに缶ビールを渡すと、
プシュッと弾ける音がして、二人は
ビールを飲み干した。
「何か、楽しいな。ありがとう」
とレイナが微笑む。
「そうか、ならよかった。」
と仁も微笑んだ。
仁がレイナが持っていた缶ビールを
手から取るとテーブルに置いた。
レイナがゆっくりと仁に視線を送る。
仁は、レイナの首に手を回すと
彼女の唇に優しくキスをした。
仁の唇が彼女の唇から離れると、
二人は互いの目を見つめ合った。
仁はレイナの髪をかきあげると、
首筋にキスをする。
すると、レイナが身体を後ろにずらした。
「だめ? 」と仁が彼女に聞いた。
「お店ではしないのに、どうして? 」
とレイナが仁に聞いた。
「俺は、今客じゃなくて、ひとりの男として
好きな女性を抱きたいと思ってる」
それを聞いたレイナが言った。
「それじゃ、やっぱりだめだよ」
「どうして? 」
「私の身体、汚れてる。だからだめだよ」
「そんなの、関係ない。
俺は君のすべてが好きだ。
君の過去なんてどうでもいい。
今の君が好きだ」と仁が言った。
レイナは仁の頬に手を当てると
仁の唇に自分の唇を重ねた。
唇を重ね合うふたり。
彼は彼女のシャツのボタンをゆっくりと外し
そして・・脱がせる。
彼女は彼のシャツを脱がせ裸にする。
鍛えた身体の彼、
白い素肌の彼女、
彼は、仁は、彼女の首筋に舌を這わせる。
彼女から甘い吐息が聞こえた。
仁は彼女の向きを変えると、
彼女の髪をかきあげ白いうなじに優しく
口づけをする。
ベッドの上で絡み合うふたり、
彼女はシーツに指を這わせる。
彼女の高揚した表情を見つめる仁、
彼に見つめられる彼女は、
身体の底から湧き上がる熱いものを感じた。
揺れるふたつの影は、止まることなく、
まるで、ふたりの情愛の強さを表しているようであった。
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