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ネオンがきらめく繁華街を歩く、
仁と所長と先輩。
「所長、どうでした? 」と先輩が尋ねる。
「やっぱりだめだった。部屋に入った瞬間に
酔いが覚めて、家内の顔が浮かんできて、
今は罪悪感でいっぱいだよ」
と項垂れる所長。
「そうですか、それは、それは、でも、まあ、
未遂なわけだし、
なかったことでいいんですよ所長! 」
と先輩は明るく言った。
それを聞いた所長、
「そういうお前はどうだったんだよ」
「僕ですか?僕は、
いきなり彼女から着信がきて
はい、だめでした」
と先輩が笑いながら言った。
「それは、そうと安藤はどうだったんだよ」
と先輩が仁に聞いた。
「俺ですか? 俺は、そこそこ楽しかったですけど」
それを聞いた先輩と所長、
「このやろ~。一人だけいい思いして」
と先輩が言った。
「やはり、若者は違うな~」と所長が頷いた。
「えっ? なんか誤解してません? 」と仁が言った。
「誤解って、何を誤解するんだ~」
と先輩が仁の肩に手をまわした。
繁華街を歩く、三人の姿、
宿泊先のホテルへ戻った三人は、
ホテルの部屋で飲み直し
次の日は二日酔いで
社員旅行を終えたのだった。
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