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夜空を見上げ
「仁、仁?」
仁は星七の声で目を覚ました。
星七に抱きかかえられている仁。
「痛っ! イテテ」と全身に痛みが走る。
「大丈夫?」と仁の顔を覗き込む星七。
「大丈夫だよ」と仁が微笑んだ。
「血だらけで、大丈夫じゃないじゃん」
「そうだけど、痛って~」
「ふふふ」と星七が笑う。
「ははは」と仁も笑う。
「星七、上見て」
「上?」星七が上を見上げた。
「あっ!」
星七が見上げた先には、
夜空に光輝く満天の星、
そして、
その中心に浮かぶ月。
月から放たれる優しい光が
二人を包み込む。
「綺麗な空」
「本当だ」
仁と星七は見つめ合うと唇を重ねた。
「痛てて、あ~唇切れてるよ」
と仁が言った。
微笑む星七。
「星七、帰ろうか」と言うと
仁と星七は車に乗り込むと
その場を走り去った。
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