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息子である王子様が、次の王様になりました。
即位した当日、王子様だった王様は、政策として実行するものの一つに『みかんを全て処分する』とあげました。王子様は、王様であった父が死んだ原因はみかんにあると考えていたのです。それに伴い、みかんを見たくない程忌み嫌い憎んでいたのです。
王様の命令には、誰も逆らうことができません。その日から、国からみかん畑が少しずつ減っていきました。一ヶ月経つ頃には、全てのみかん畑が埋められました。
みかん畑がなくなったとなれば、当然特産物であるみかんを作ることはできません。みかんに代わる特産物も作られることはありませんでした。悲しいことに、今の王様には商業や経済面の才覚がなかったのです。
他の物も売っていたとはいえ、輸出の七割を占めていたみかんを失ったこの国の経済が立ち行かなくなるのは、目に見えていた結果でした。
やがて、その国は滅んでしまいました。
今はそこは、ただの荒れ地になっています。
変わらずそこにあり続けるのは、昔王様が宴会で眺めていた、月や星が輝く夜空だけでした。
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