会えた彼

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「まさか神様の子が生まれたとかいう話ではないだろうな」 「達郎は何もわかっていない」 「確かに」 「神様の子が生まれたのよ」 「何ばかなこと言っているのだ」 「何もばかなことは言っていないのです」  達郎は絶句した。妻は本気で言っているらしい。彼は気が付くと浴室の中にいた。 「あんなこと言って、大丈夫かな」彼は思わずつぶやいた。 「何か言った?」浴室の扉のそばで妻は言った。 「言わぬ」
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