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『こんらん』 2
秘密の収容所は、とある石灰岩地域の、観光洞窟ではない、なぞの洞窟内に作られていた。
地下のエントランスあたりは、柱がならび、なにかが、ぴかびか点滅していて、ほとんど、昔の映画の宇宙人の秘密基地である。
しかし、地上からの通常の入り口はないらしく、その代わりに、縦穴エレベーターが密かに設置されていたのである。
こんな場所、よく、見つけ出したものだ。
あるいは、普通の入り口は、後から封鎖したのかもしれない。
しかし、内部は、なんとかファイルみたいな、おどろおどろしい生き物が並ぶような場所ては、むしろなくて、見た目は、わりに、普通の病院みたいである。
でも同じ市内とは思いがたい。
ぼくは、ガラス張りの容器のまま、とある個室に運び込まれた。
ひとりの看護師さんがやってきて、容器を叩きながら、こう言った。
『もしもし、ようこそ。市民地下秘密病院へ。』
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