目をしばたたかせる(2023.6.22記)

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目をしばたたかせる(2023.6.22記)

この表現も割とあちこちで見かけますが、正しくは「目をしばたたく」です。 理由は「しばたたく」が他動詞であるからとのこと。 「~せる」「~させる」という使役の助動詞は、もとの動詞が自動詞であるときに、それを他動詞化させるために使うことができます。 例えばですが 足がもつれる  ➡ 足をもつれさせる 顔がこわばる ➡ 顔をこわばらせる これに対し、「目を閉じる」は最初から「目を閉じる」ですし、「腕を組む」 は最初から「腕を組む」です。 この場合の「閉じる」「組む」は他動詞ですので、自分の身体の動きを表現する言葉として「目を閉じさせる」「腕を組ませる」というのは変です。 他者が促してそれをさせるニュアンスになってしまいます。 よって自らの身体の動きについて使うときの「目をしばたたかせる」は誤用です。 どうやらこれに関しては辞書も味方をしてくれないようです。 とはいえ、それはそれとして結構浸透している言葉だとも思います。 ※そのうち辞書も改訂されるかもしれないので、一応日付を書き記しておこうと思います。 2023年6月の時点では「目をしばたたかせる」は誤用ということで、今後の変遷を見守りたいと思います。
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