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愛想を振りまく(2023.06.30記)
誤用とわかっていて使ったことのある言葉です。
正しくは「愛嬌を振りまく」なのですが、一旦そう置き換えてどうもしっくりこなくて「愛想を振りまく」に戻しました。
「愛嬌」は、言葉のフレームの中に可愛らしさが含まれている気がします。
つまりいたいけな子どもが愛嬌を振りまくのは違和感がなくても、例えば鬼瓦みたいな強面のオッサンが愛嬌を振りまくのは言葉として違和感アリアリじゃないですか。(偏見? 愛嬌のあるオジサマもいるとは思います)
使ったシチュエーションは、ライバルの女の子が主人公に毒づく台詞の中。
ちょっとそのまま引用してしまいますが、こんな感じ。
「手伝い手伝いって、別に座長はしろと言ってないのに、あんたが勝手に決めてやってるだけでしょ? だれかれかまわず愛想をふりまいて、そんなにみんなからよく思われたいの?」
どうも日本語がヘンな気がして「愛嬌をふりまいて」と書き直し、
これではニュアンスが違うと思い直して「愛想よく対応して」と書き直し、
これではなんかホメてる感じになってしまうからダメだと思って元に戻しました。
当時辞書的なサイトで確認したら「愛想は振りまけない」と書いてあったけど、作中人物の台詞だし用法違っててもその子が言っちゃったことにしちまえばいいや、と開き直って。
それが2013年の時点。
現在もう一度検索すると、すでに複数の辞書に「愛想を振りまく」という表現が使ってもよいものとして取り上げられているらしいです。
この言葉は10年の間には徐々にその勢力を拡大してきたみたいですね。
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