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それから佐橋とパスタを食べたが、
味もそこで話した内容も薄っぺらく、
何の印象も残らなかった。
好きでもない相手と心を偽り、
2人きりで食事するなんて拷問に近い。
1時間ほどで死ぬほど辟易した僕は、
トイレの個室で川瀬にメッセージを送った。
『店を出たら、北口広場に行くよ』
『了解、僕と秋津さんは気づかない振りを
して、広場からカラオケボックスに行くね』
トイレを出て、席で待つ佐橋に微笑んだ。
「佐橋くん、お待たせ。出ようか」
「はい」
佐橋がカバンを持って立ち上がる。
「この後、行きたいところはありますか」
「とりあえず、そこの広場かな。今日、
イベントやってるみたいだから」
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