砂利婆さん2

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 洗面所で彼女は鏡をのぞいた。ほっと胸を撫で下ろした。鏡に映っていたのは、人間の顔ではなかった。餓死した禿鷹のような砂利婆さんの顔だった。大釜の中に緑色の液体が煮え立っていた。彼女はトカゲとヒキガエルを釜へ入れてかき回した。北の森の支配と呪いの金貨、そして邪悪な薬。それが彼女の普通であり、彼女の人生だった。頑張らなければならないと彼女は思った。さもないと、またあのおぞましい人間に戻ってしまいそうで。
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