転校するばい!

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転校するばい!

 「福地くぅん、おはよぉ♡ 今日めっちゃいい天気だよねぇ!」 「おはようございます。そうですね」 むぅ。福地ってば冷たい奴だなー 私は清水みるく。今日も元気にイケメン福地君にアタック中だよ♡ 最近は保健室の先生にも誘われてるし・・・ (超モテモテだよね、私って♡♡) 「ところで清水さん、気づかないんですか?」 「気づくぅ? 何にぃ??」 「教室の前にいますよ、が」 え。まさか・・・ 「みるく、ちょっとこっちに来なさい」 そこには手を招いているの姿。 「・・・毎日来てません? しかも僕のことめっちゃ見てくるし」 「あははぁ・・・ごめんねぇ♡ 今日で決着つけるからぁ!」 そう言いながら兄の方へ向かう。意外とお兄ちゃん顔いいから女子からの目が怖いんだよなー まぁ、そんな妹のみるくも可愛いってことで♡ 「ちょっとこっち来て」 兄ちゃんの手首を掴み誰もいない階段の踊り場まで歩く。 「おい、どうしたんだ。今日はやけに行動的ーー」 「ねぇ、みるく言ってんじゃん。って。聞こえなかったの? 難聴なの?」 「気になるだろ、お前が他のにやられてないかとかさ」 「なに虫って。今の時期そんないないけど。あと今イケメンにアタック中だったの! 邪魔しないで!!」 「でもーー」 「みるくのこと心配してくれるのは嬉しい。だけどさ、兄ちゃんが教室に来るせいでみるく虐められそうになってんだからね」 「いいの? みるくが不登校になっても。兄ちゃんのせいにするよ」 「 これは(みるく)の人生なの。そういう過保護的なの、 」 「・・・」 沈黙が踊り場を満たしていた。 口論は弱いんだね。 「さっきも言ったけど、心配してくれて嬉しかった。だけどここまではやめてね」  あ、そうだ。モテない兄ちゃんにビックニュースがあるんだった♡ 「そういえば、今日が来るらしいよ。北海道からなんだって」 結構美人な女子らしいけど・・・誰なんだろ。 「じゃあ、みるくは戻るから。もう来ないでよ」 これだけ言ったから、流石にね・・・! 私は一人化石になったような兄ちゃんを残し速やかに教室に戻るのであった。        ーーー  「お~い、翔太ぁ・・・聞こえてる?」 俺は、嫌われた・・・ みるくに「 邪魔 」って言われた・・・・・・ 「しょーうーた!! お前いつもの明るさはどうしたんだよ。今日は机で寝ちゃってさぁおかしいぞ」 「実は朝からお腹痛くて」 「いや絶対違うね。お前、妹ちゃんになんか言われただろ」 うぐっ!! なんて勘のいい奴なんだ。 「その顔は図星だろ。わかりやすいんだよ、翔太って」 「うるさーーいっ! そうだよ、俺はみるくにいっぱい悪口言われたんだよーー!!」 ちょ、うるさいからって皆こっち見んなよ。 「開き直っちゃってさ。最近お前一年で話題になってるぞ、『妹についてく』ってなwww」 「くっそぉ」 なんなんだ今年の一年は! すぐに人をからかいやがって!! (俺はみるくを守ってるだけなのに・・・) 「もう一年みるく以外」 特に朝みるくと話してた奴。みるくと話してたなんて、許せん・・・ 「うわ、ヤンデレ来たー だる~」 「ヤンデレじゃない」 ただの兄だよ。  「ていうか有紀(ゆうき)、お前俺と同じクラスじゃないだろ。なんでここ来てんの?」 「えぇ、お前知らないの?」 何がだよ。 「しょうがないなぁ、じゃあ特別に有紀 那留(ゆうきなる)様が教えてあげるねっ♡」 何その喋り方。有紀こんなキャラだっけ。  「実はお前のクラスに転校生が来るんだってよ」 「へぇ~ ・・・?」 「しかも転校してくるのは鐵財閥の妹、美生さんらしいぞ~!」 「うん・・・?」 みるく以外の女子はそんな興味ないんだよね。ていうか俺元女性恐怖症だったし。 「美生さんってどんな人なの?」 「おっ、よくぞ聞いてくれましたな~」 なんか有紀オタクみたい。 「美生さんはな小さい頃からほぼ全てといってもいいくらいの習い事をしていたんだ。だから運動も勉強も出来るって訳さ。しかも顔も良し、性格も良しで最高なんだよなーこれが」 「ふぅん」 凄い人来るってことか。まぁ俺には関係無いっしょ(フラグ建築士一級)! それよりもみるくと朝話してた奴をどうやって吊るかを考えよう!!        ーーー  キーンコーンカカーンコーン... 「くっそ、もっとお前に美生さんについて語りたかったのにぃぃ!!」 「有紀変態だぞ」 「いやに言われたくないわ」 そう言って有紀はとぼとぼと俺のクラスを出る。ちなみに俺はシスコンじゃないからな! あらすじにシスコンとか変なこと書いてるけどこれは単に妹が変な目に遭わないか心配ってことだから。妹大好きとかじゃないからぁぁ!!  「今日ここに転校生が来ます」 いつの間にか転校生が教壇の上に登っていた。 「鐵 美生ばい!」 あれ、この人こんなになまりのある人なんだ。 「関東に来たん初めてやけんちょっと緊張ばってん(だけど)話してくれたら嬉しかでーー」 (ん?) めっちゃ俺のこと見てるんですけど。 「ちょ、鐵さーー」 先生が呼び止める。でもそんなの聞いてないとその人は俺に走ってくる。 「なになになに・・・!」 「あん(あの)、清水翔太さんやなあ(ですよね)!」 「えっと、はい」 え。俺、なんかしたっけ? 「うちと?」 「は?」 何言ってんだこの人。 「俺は愛しの妹いるから、無理ですっ♡」 きっとネタとかだろ? 「へ~ 妹教えんね( えてよ)! 会うてみたかね!!」 もしかしてこいつ、俺の妹狙いか・・・! それで俺の気を緩めようとしてこの『付き合って』トラップを・・・ フッ なかなかのトラッププロじゃないか。 でもな! 俺は妹とこいつを会わせたくないんだ!! みるくはな、俺だけで十分なんだよ!! 「うん絶対教えない」 とにかくみるく、俺がお前をこんな危険な奴から守るから!! 覚悟しとけよ、鐵 美生!!!!!!!
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