幼い店主

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何処かで少し深く関わった奴は、大概最後はあんな顔をして固まっている。 少し後を、すっかり忘れていた溜め息男が付いて来る。 「はぁ~。お前…。あんな幼い子に、急に全てを変えた店を押し付けて…」 固まった顔を残した後は、だいたいこんな感じの話が始まる。 溜め息混じりの声を聞き流していると、人混みの中、私の前に宿を出ていった仲間の奴が1人の男と共に歩いている。そのまま宿の前まで行き話をしている。 そして、その男を置いて宿へと入って行った。男はその辺を何となく見回していたが、何かを発見したらしくある場所へと向かう。 幼い店主と少し話をしていた男は、1つの商品を手に取り、満足気な表情で宿の前に戻る。 少しすると宿からさっきの奴が出て来て男を招き入れた。 …これはまた面白くなりそうだ 「おい!アーロン!宿に戻るぞ!」 「?…ああ…」 こんなに早い探索終了は珍しいので、面食らったようだったが、願ってもない事態に大人しく付いて来る。 ワクワクしながら宿へ向かう右後方には、何人かの客相手に、幼いながら張り切ってる店主の姿があった。 「ねぇ、エレンが付けてるその…チャーム?みたいなそれ、最近似たような物を時々見かけるけどな~に?」 「ああ、ヒナ。これはカイザルに貰った物なんだが。出会った時に泊まってた宿のすぐ近くで売ってたんだそうだ。」 「へぇ~。なんだかよくわかんないけど、可愛いわよね」 「その店主が若いのにやり手らしくてな。独創的な色使いや、独自で生み出した結び方とか、まあとにかく、そいつにしか出来ない技の数々を学びたいと、そのうち弟子みたいのまで出てきたらしく、そうやって色んな所に広がって、色んな土地で作って売ってる奴が居るらしいぞ」 そう言って話す奴の鞄には、ぶらぶらと揺れる物。 「ま、センスは悪くなかったからな」 ボソッと呟くと、 「ん?何か言ったか?お前もこういうの欲しいと思うのか?」 白に近い金色の髪を揺らしながら聞かれ、 「要らん、要らん!」 と断わり、あの日そう言われて真っ青な顔をしていた幼い店主を思い出す。 これだから世界は面白い 「さて!今日はどっちに進もうか!」 今日はどんな世界が待っているのか…!
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