子供の大人

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子供の大人

聖獣の世界の大帝国、神聖ドコニアン帝国 神聖聖獣白亜のドラゴンがこの世界を作り、神獣達が産まれた。 その昔人間と言う小さな生き物が居たがその繊細さから対戦の世で絶滅してしまった。 その後、白亜のドラゴンの血を引いたドラゴン一族が帝国を治め、各国に散らばった獣人達がそれぞれ国を作った。 創生国である神聖ドコニアン帝国は様々な種族が居るのはそれが理由だ 「ここまでがドラゴニア帝国の創世記です、ご理解頂けましたでしょうかメイカ様」 「はい、」 今、明香は神殿に来ている、パースに見られながら身体検査の後、国の歴史を聞いて自分がどれだけ伝説的で謎で興味深い動物なのか学んでいた。 (え?これパースに保護されてなかったら実験動物だった?) ハッと気がついてパースを見るとデレっと顔を崩す (怖っ) 明香は怪訝な顔をするが、周りは恐怖にコソコソと話す (血も涙もない冷徹皇太子様ですか?あれは?) (そのはずですよぉ) (笑わない皇子だったのでは!?) 神官たちがコソコソと話す 「あのぉ、」 ビクッと神官達は声をかけてきた明香を見る 「歴史は終わりですか?」 大きなクリンとしたアーモンド型の黒曜石の目で見られて神官達はほわほわしそうだったが、その後ろでパースの刺すような氷の目を見て慌てて正す 「え、ええ、基本的なことはこんな所ですね、その他のお勉強は順々にいたしましょう、ここからは私共から質問しても良いですか?」 「?、はい、」 妙に焦るように聞く神官達、正直早く終わらせてこの真っ白なフリフリドレスから まだマシな落ち着いた部屋着に着替えたい、むしろニッカポッカ返してください、と思うが、何度頼んでも返してくれない、というか何故かパースの部屋に飾られていた 何故 「では基本的なことから、元の世界ではどのような暮らしを?」 「あ、私の暮らしていた日本は王族は居ましたけど象徴って感じで、せ・・・・、(まつりごと)は政治家って人達がしてました。貴族階級とかも無かったですけど、一般人で私は教育機関卒業してからは、えーと、大工で伝わります?」 「え、待ってください、おいくつですか?」 神官は、驚いて聞く 「?27ですけど」 周りがあんぐりと口を開ける (え?なに?) ガタッと後ろから椅子を蹴り飛ばす音が聞こえて振り向くと勢い良くパースに肩を掴まれる 「うぉ!」 ビックリしてパースの顔を見て悪寒がする、なんでそんなに興奮してんの!?と恐怖して逃げ出したいが、全く力で敵わない (ドラゴン怖い!ドラゴン怖い!食われる!まって!?もしかして俺、子供と思われてた!?日本人特有のベビーフェイスは異世界でも有効なんですか!?そういやみんな大きいね!侍女も大きかったね!?てか食べ時だと思われてる!?でも伝説の存在だよね!?殺さないよね!?) パースが息を吐いて心落ち着かせてから聞く 「そ、それは人間では幼い方なの」 「え、あの」 今までパースから向けられたことのない鋭い視線 (あ、これ何言っても食われるやつや) 明香は、すべての生を諦め、魂が飛んでいかないように耐えながらちょっと抵抗する。 「人間では成人済みですね、もうおばさんの類かと」 (なので食べても美味しくないです、ピチピチな時期は過ぎております) 余計なことを言わないように必死に笑顔を保ちながら明香は言う 明香の言葉にパースはニィィィっと笑った (オワッタ) 明香は人間ソテーなのか人間スープなのかステーキなのか、フルコースなのか、夕飯に自分が並ぶことを覚悟したのだった。 目を閉じて震えて居ると、ぎゅっと抱きしめられる (は?) 「なら遠慮しなくていいね、はぁ、可愛いけど子供には手は出せないでしょ、良かったぁ大人なのかぁ」 (あれ?私、もしかして間違えた?) 冷や汗をダラダラと流しながら固まっているとパースは、明香の座っていた椅子に座って明香を膝に乗せる (は?) 「ほら、神官、話し続けて」 ニコニコとそれは機嫌良さそうに言うパース こんな扱いされた事ない明香は頭が真っ白になって手を振り上げてパースの頬を殴った。 (((いやあああああああ!!!!))) 神官達の声なき悲鳴があがるが、自分に必死な明香は、気付く余裕もなく、ほうけたパースから逃げ出して、一人の騎士の後ろに回ってパースを睨む 騎士は死を覚悟して意識を手放して立っている、他の騎士は、合掌して、騎士の不幸に涙するのだった。 パースは、頬に手を当てて明香を見る、明香はビクッとして騎士に更に隠れる。 隠れられた騎士の血の気が引いて行く、 (アンディーお前は良いやつだったよ)(アンディー忘れないぜ部屋を出るまで)(白亜のドラゴン様アンディーをよろしくお願いします) (お前ら嫌い) 合掌する騎士達にアンディーは、魂を漏らしながら恨みの視線を送るのだった。 叩かれた頬を抑えて、ずっと明香を見るパース、明香は恥ずかしさから回復して自分のした事を思い出し、青い顔をする (平民上がりでも公爵の頬を殴っちゃった) 自分のしでかした事に、ディナーのメニューが決まったことを確信した。 そして、見てくるパースにもう遅いけど笑って取り繕ってみる すると、パースは、明香の方に飛んでくる 明香とアンディーは来世を夢想した。が、パースはアンディーの鎧を持っていた明香の手を引き離して目を輝かせながらその手をパースの頬に当てる 「何、その可愛い顔!そんな顔するならもう一回殴って!」 予想外の事に全員が固まる 「ほら!メイカ!早く!」 混乱した明香は、あまりの気持ち悪さに思わずまた不敬を働いてしまう 「気持ち悪い!変態!!!」 パシーンと殴られてもパースは逆に笑顔になって明香を怯えさせるのだった。 結果、聞き取りどころでは無くなって、そのまま解散、 後日、アンディーの鎧が新しくなっていた。
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