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待ちに待った日
フェリペ・ナーガ・ドラニルワークは父を思う
自分が殺した父
先代皇帝
父はドラゴンの令嬢と恋に落ちていただが、力が強い事でドラニルワーク一族をもう一度皇帝にと考えていた一族の策略で初代皇帝、ドラニルワークの末裔であるフェリペの母と結婚させられた。父はドラゴンを産むように言ったそうだ、だが生まれたのはワイバーンのフェリペ、父は母を捨てた。
ひっそりと関係を持っていた令嬢がドラゴンの子を産んだタイミングで、母に無理やり不貞の証拠を作り追い出した。
そこからフェリペは不貞の子として平民の身分でも迫害され酷い人生を送っていたのに父は皇帝になり、ドラゴンの令嬢と幸せに暮らしている。
ある日母が言った。「貴方を産まなきゃよかった。」その言葉だけ残して母は自ら命を絶った。それからは孤児で環境の悪い孤児院に入り、ドラゴンたちに馬鹿にされる生活から逃げ、貧民生活、お汚泥をすすり、人に踏みにじられ地獄の人生を送った。フェリペにドラゴンへの恨みを募らせるには十分な生活だった。
だからこそ、父を殺し、皇帝となりドラゴンの国であるドラコニアを征服するそれがフェリペの念願、
物思いにふけるフェリペに執事が耳打ちをする
そして笑う
「そうか、やっとか」
ずっと、準備してきた。これで父の血は途絶えるだろう、そしてドラコニアも終わるのだ。
ドラコニアの町が黒に染まった。誰もが黒い服を着てパストル皇太子殿下の不幸を嘆く、結局見つかる事の無かったパストル皇太子
王都の者が王宮の前に集まる、
王宮のお立ち台には皇帝、皇后、ルパペストとニルバーナ、そして明香が居る、明香の側には何かあった時の為にとマリアとアンディー、フィルトールが立っている。
そして、国中の者にも見えるようにと映照石で各地の広場に映し出されている
「皆、集まってくれてありがとう、わが息子パストルは手だけを残し、私達の前から去ってしまった。まだやりたいこともあったであろう、愛しい婚約者を残すことも辛かったであろう」
皇帝の言葉は国中に響いている
「だがその後をルパペストが継いでくれよう、ルパペスト」
皇帝がルパペストを呼ぶとルパペストは前に出る
「このルーモリアを持ち兄の代わりに」「お待ちください父上」
その声は突然響いた。
声を聴いて全員が驚く、その声は・・・・
「私を殺すなんて酷いじゃないですか父上」
王宮の開かれた窓から、正装したパストルが出て来る。
「ぱす・・・とる・・・・」
ユイフトは驚きすぐに顔を歪める
「生きて・・・いたのか!!」
ユイフトは剣を持ったままパストルを抱きしめる
「よかった、よかったああああ」
皇帝とは思えないその感情の隠せない様にパストルは笑う、そうユイフトはずっと愚かな子供だった。周りに流されるままに育つことなく今まで生きた皇帝、子供皇帝なのだ。
「父上もう楽になりましょう」
「どういうことだ?」
泣き顔を隠すことなく感情の隠せないユイフトにパストルは真剣な顔をする
「今から、貴方を楽にします、もう皇帝に縛られる必要はありません」
「何を言っている?」
問いかけるユイフトを置いてパストルは演台に立ち拡声器で言う
『全員捕縛せよ!』
その号令で、隠れていた各公爵家のスパイたち、城に潜り込んでいたスパイたちが捕まる、だがアンディーはマリアが捕縛しようとした時すぐにさけ、明香に手錠をかけて明香の首に刀を当て盾にする。明香に付けられたのは魔力封じの手錠
「やっぱり気づかれてたかぁ」
アンディーがニヤッと笑ってマリアを見る
「アンディー?どういう事だ?なんでマリアはお前に手錠を向けたんだ?なんでお前はメイカ様を盾にしている!!!」
フィルトールの問いにアンディーは何でもないように言う
「ん?今からわかるんじゃないか?その為の号令だろ?パース様」
挑戦的なアンディーの目線にパストルは冷たい目線を送る
「まさかお前が、ドラニルワークの手先とはな」
「ドラニルワーク?どういうことだ?」
混乱するユイフトが周りを見れば、ミーシャもつかまり、ルパペストがニルバーナを盾に騎士から離れている。
「なんだ!どうなっている!何が起こっているんだ!!」
王宮の奥からパラドーナ侯爵もつかまって連れてこられ、その後ろから仮面を付けた赤毛の女性とワイヤークがついて来る。
「なぜメンテが捕まっている?」
「ではお見せしましょうすべての証拠を」
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