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「久しぶり。」
雨上がりのカフェ。
一人の男性。
見覚えがあった。
「元気してた?そこ座っていい?」
私の元彼。
「また会えたね。嬉しいよ。」
『うん、私も。』
今はお互い家庭を持って、
今の生活に満足していた。
はずなのに、
「このあと空いてる?久しぶりにカラオケ行こうよ、」
『あぁ、あそこ?よく行ってたよね、』
そのままダラダラと続いた関係。
ホテルに行って、二人で旅行して。
大好きだったはずの旦那も子供も、
何だか冷めてしまったみたい。
『ねぇ、』
旅行の道中。
車の運転席に座る彼。
「何?」
長く綺麗な睫毛が瞬きするたびに輝く。
私はこの横顔が好きだった。
『あのさ、』
『また、関係戻さない?』
もう旦那のことも子供のことも、
親のことだってどうでも良かった。
一度この関係にハマってしまった以上、抜け出せない。
答えは.......
「ごめんなさい。」
雨が降り始める。
再会した日とは正反対に暗く、湿っている。
『そっか。ごめんね。こちらこそ。』
どうせまだこの関係は続く。
家族との飽きた時間を埋めてもらうように、
今日もまた、ホテルへ向かった。
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