愛され生活はまだこれから…(後編)

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 それなのに今日はどうしてか、俺のアソコも疼いてきてしまった。  そういえば慰めたのはしばらく前で、ずっと弄っていなかった。  人の気持ち良さそうな声を聞いて、俺も興奮してしまったというのだろうか。  フェロモンなんて感じないはずなのに、リザベルトから雄の匂いを感じてしまい、ぶるっと震えてしまった。  リザベルトに気づかれないように、俺も自分のソコに手を這わした。  何をしているのか自分でも説明できない。  リザベルトは俺の匂いをクンクン嗅ぎながらマスをかいているし、俺は俺で声を我慢しながらアソコを布団に隠して弄っていた。 「はぁ……はぁ……うぅっ、くくっ」  背後で詰まるような声がして、わずかな振動を感じた。  ゴソゴソと何かを拭く音がして、これはおそらく終わったなと思った。  何を考えたのか、リザベルトは俺の頭を撫でた後、ようやく自分のベッドに戻っていった。  一人熱を持て余したまま、俺は固まったようになって動けなくなった。  何をしているのかと正気に戻ったのが一つだが、それよりもドクドクとうるさい心臓の音が、静かな部屋に響いてリザベルトに聞こえてしまいそうだった。  一度意識してしまうと、だめだだめだと思っても頭から離れない。  背後から伸びてきた大きな手に、ドキッとして心臓が跳ねてしまった。 「セイジュ? どうしたの?」 「あっ、あぁ、ラリックか……」 「ほら、肩のところに糸屑が付いてた。驚かせてごめん」  放課後、部屋になかなか戻れなくて、ひとりで廊下を歩いていたら、後ろからラリックが話しかけてきた。 「いや、助かったよ。ありがとう」  そう言いながら俺は周りを見渡して、他に誰かいないか確認してしまった。  そんな俺の様子を、ラリックは何か言いたげな顔で見てきた。 「あのさ……、リザベルトと喧嘩でもした? なんか最近避けているみたいだから」 「えっ……」  他人から見てもそう感じるのなら、リザベルトにはとっくに伝わっているだろう。  あの夜から俺はリザベルトの顔がまともに見れなくなった。  とにかく近くに寄られると心臓がドキッとして顔が熱くなってしまう。  それを悟られないように、そっと離れる、というのを繰り返していた。  自分自身の気持ちなのに、この落ち着かない状態が何だかよく分からない。
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