愛され生活はまだこれから…(後編)

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「う……うん」 「本当に悪かった」 「俺の方こそ……助けてもらってばっかりだから……いつも本当にごめん」  何度も頭を下げてくるリザベルトに、大丈夫だからと言ってリザベルトの背中を撫でた。 「それに……気持ち悪いってわけじゃ……びっくりはしたけど……」  自分を責めるリザベルトを見ていたら、何だか胸がチクリと痛んでしまった。  そんな俺の言葉に、何か気がついたようにリザベルトが顔を上げた。 「ほ、本当に?」 「うん……」 「じゃ……じゃあ、また、してもいいか?」 「えっ!? そっ、それは……」 「セイジュは何もしなくていい。匂いだけ嗅がせてもらえれば……」  リザベルトが目をキラキラさせながら俺の腕を掴んできた。  バカなことを言うなと言って振り払おうとしたが、リザベルトが犬のように尻尾を振って見えて、可愛く思えてしまった。 「う……だって……」 「セイジュ……」  仲良くなる、というのがこういうことで合っているのか、ゲーム友達くらいしかいなかった俺にはよく分からない。  だが、いつもお世話になっているリザベルトの頼みを断るのは可哀想だ。  ドクドクとうるさく鳴る心臓の音を聞きながら、俺はそう思うことにした。 「分かった」 「セイジューーー!」  感激した顔になったリザベルトが、飛びついて来ようとしていたので、ヒラリと身をかわして立ち上がった。 「調子に乗るなっ、ほら、体操着試着しろよ。サイズ違いはメッセージを入れてくれって」  一気に恥ずかしくなった俺は、ラリックからもらった体操着を抱えてリザベルトから距離をとった。  俺が逃げたので口を尖らせたリザベルトだったが、仲直りできたのが嬉しかったのか、分かったと言って自分のベッドの方に戻った。  俺は何となくその場で着替えることが恥ずかしくて、机の後ろに回り込んで着替え始めた。  リザベルトは気にせずその場で脱いでいた。 「ああ、少しキツイな。腕周りとズボンの裾も短い」 「おいおい、どれだけ体格がいいんだよ。それ在庫で一番大きいやつらしいよ」 「そうか」  俺はリザベルトに説明するのに夢中で、自分の着替えとか全然考えずに半袖の服を頭からかぶって腕を通してから、ズボンを履いた。 「ん? ズボンの裾が短いって、これはそういうもんだろう」
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