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「いや、どう考えたって足首が出ている」
「足首って、そんなの全部出るじゃないか」
言っていることが噛み合わなくて、俺は仕方なく確認するために机の後ろから飛び出した。
するとそこには、Tシャツもズボンもムキムキの体でパンパンになっているリザベルトの姿があった。
確かに言われてみたら、ズボンの裾が足首より上になっていて、不恰好だなと思ってしまった。
しかしここで俺は明らかにおかしいことに気がついた。
今まで話に夢中で全く違和感を持っていなかったが、自分の格好がおかしい気がした。
そして、俺の姿を見たリザベルトの顔がみるみる赤くなっていくのが分かった。
「せっ、セイジュ、それは……」
「うわぁっ、何で俺だけ短パン!? これ夏物? それにしても……短い……」
ここでやっと自分が履いているのが短いズボンだということに気がついた。
しかもフトモモより上で尻に食い込むくらい短いし、生地も薄いのでアソコの形が丸見えだった。
「……それは、女子用だ」
「女子用!? 女子用ってこんなエッチなの!? っていうか、ラリック、間違えて渡したな!!」
「女子はその下に黒いタイツを履く……」
「ああ、そうなんだ。おかしいと思った。わわっ、スースーする。脱がないと」
「待て」
間違えたとはいえ、気にせず履いてしまったので俺は真っ赤になって早く着替えようとした。
しかし、部屋の反対側にいたのに、リザベルトは瞬間移動でもしてきたかのような秒速で俺の腕を掴んできた。
「何だよ」
「やばい……その格好は反則だ。こんなの見せられたら……」
「へっ、おまっ……はっ、鼻血!!」
スローモーションのようにリザベルトの鼻から血が垂れていくのが見えて、交換する体操着にでも付いたら大変だと、俺は慌てて脱ぎ捨てていた肌着を床から拾ってリザベルトの顔に当てた。
「ぬおおおっ、これは!? 汗……汗の……セイジュ、俺を殺す気かっ」
「え?」
「俺はお前の匂いがたまらないのに、凝縮されたやつを鼻に付けるなんて」
どうやら鼻血を拭くために渡した肌着で余計に鼻血が出てしまったらしい。
それなら洗ったタオルと交代させようとしたが、リザベルトは俺の肌着を抱えたまま離さなかった。
「セイジュ……少しでいいんだ。直接を匂いを嗅がせてくれ……下の方の……」
「うええっ!!」
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