蛇道

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 そんな道は通らずに、別の道を行けばいいじゃないか、と思われる方も多いことだろう。  その通り。  僕は、極力この道を避けていた。  しかし、残念ながら僕は、時間にルーズだった。  とても。  だから、この道を行かざるを得ない状況が、度々訪れた。  別の道は、あるにはあったが、遠回りな上に急な坂道で、アップダウンを繰り返す。  蛇道より、確実に五分は遅くなった。  五分を侮るなかれ。  その僅かな差が、往々にして運命を分かつ。  という訳で、僕は危険を冒してでも、この道を行かなければならなかった。
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