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23 プロポーズでも?
さらにその部屋の中に入ると、床には薔薇の花びらや薔薇の花が散りばめられており、100個以上のキャンドルに照らされていた。
な…!?
なんじゃこりゃ!?
言葉を失う私に、天羽オーナーはドヤ顔で言った。
「どうだ?
ロマンチックだろう?」
「えーと、私は今からプロポーズでもされるのでしょうか…?」
冗談めかして言ってみるが、まさか本当にプロポーズする気じゃあるまいか?
天羽オーナーの考えている事は私には全く理解出来ないのだ。
「ばーか。
プロポーズなら、城を買うさ。」
平気な顔で言う天羽オーナーに呆気に取られながら、私はとりあえず席に着いた。
「では、一体なぜこんな事を…?」
「だ、だ、だから、それくらい分かれよ!
これはデートなんだぜ?」
「はぁ…
デートだったんですか?」
間抜けな声を出す私。
「その反応じゃ俺がアホみたいだろ。」
天羽オーナーが眉間に皺を寄せて言う。
デート…?
それで、これ…?
「まぁ、食べようぜ。」
「え、えぇ…」
シェフにお任せで頼んでいるらしく、次々と美味しそうな料理が運ばれてきた。
私たちはホテルの話で盛り上がりながら、料理をたべた。
うん、これなら、デートも悪くないかも?
そう思っていた矢先…
「琴宮、お前にプレゼントがあるんだ。」
「は?」
つい、そう言ってしまう。
貰う理由が全然無い。
「持ってきてくれ。」
壁のウェイターにそう言うと、2つの箱を持ってきた。
「えーと…
一応お聞きしますけど、何ですか、これ?」
「大きな箱がエルメスのバーキン。
オーストリッチだぜ?
そして小さな箱がGUCCIの腕時計。
ダイヤモンド入りだ。
どうだ?
お前の給料じゃまず買えないだろう?」
満足気に言う天羽オーナー。
「貰う理由がありませんし、別に欲しくもありません。」
私は言う。
「嘘だろ、女はみんなエルメスのバーキンに憧れるはずだ。
ステータスだからな。
遠慮するな。」
その言い方にカチンときた。
「女性を一括りにしないで下さい。
少なくとも、私はその類の女性ではありません!」
私は言う。
「強がるなよ?
俺の女になったら、これが幾らでも手に入るんだぜ?」
「はっきり言います。
人の心をお金で買おうとするなんて、最低です。
私帰りま…」
そう言って立とうとして瞬間、立ちくらみがした。
え…?
「そのデザートにちょっと薬をね。
あぁ、誰も呼んでもこないぜ。
俺が最高の男だってこと、身体に分からせてやるよ。」
天羽オーナーが近づいてくる。
全然進歩無いじゃないの、このド変態!
天羽オーナーは私のタイトワンピースの背中のチャックを素早く下ろした。
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