ダーティー・ハント 第一話「円卓」

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名前 メルシャーナ・ヴィルシーナ 年齢 24歳 性別 女 (声役 女) 身長154cm 詳細 テーブル・ナイトでモードレッドの名を関する守護騎士(エクソシスト)。この作品の主人公であり、活発で男勝りで粗暴な口調で喋る。兄のことを尊敬している。 名前 ネロ・ヴィルシーナ 年齢 28 性別 男 (声役 男) 身長 178cm 詳細 テーブル・ナイトの長。アーサーの名を関する守護騎士。先代アーサーの弟子であり、10年前のロンドン大火災の当事者。威厳溢れる威風堂々とした男。 名前 ジョン・グラシアンテ 年齢 26 性別 男(声役 男) 身長 194cm 詳細 テーブル・ナイトでガヴェインの名を関する守護騎士。ネロの甥に辺り、2人きりの時はネロの事を「叔父上」と呼ぶ。優しく、周りに気配りができる男。よくネロとメルシャーナの間に立って仲を取り持っている。筋肉が凄い。 名前 モルガン 年齢 不明 性別 女(声役 女) 身長 175cm 詳細 ロイヤルヘルに所属するポーカーデビル。組織の参謀であり、非常に頭が良い。絶世の美女と謳われる程の美貌。そして最高のプロポーションを誇る魅惑の悪魔。 名前 ハスター 年齢 不明 性別 不明( 声役 両方可能) 身長 165cm 詳細 ローブのフードを深く被った少女のような風貌。性別に関してはマジでわからん。ロイヤルヘルに所属する悪魔でポーカー・デビルの1人。キングに絶対的な忠誠を誓っており、裏で奔走している。一番働いてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー N(1666年。ロンドンは業火に燃える。業火の中で、絶望する者。またある者は、希望を見つけた者。復讐を誓う者。炎の中には、人と悪魔が。人間に絶望し、滅ぼすことを誓った悪魔。人間の可能性を信じ、人と共に歩む悪魔。悪魔と契約し、悪魔を滅ぼすことを誓った人間。これは、戦いに身を投じる人と悪魔と魔人の物語。) メルシャーナ「兄上!」 ネロ「騒がしいぞ愚妹(ぐまい)が。何のようだ?」 メルシャーナ「悪い悪い!バチカンからの手紙だ。」 ネロ「内容は?」 メルシャーナ「ロンドンに行けって内容だ。近頃、悪魔が騒ぎ出してる。」 ネロ「そうか。……またあの地に向かうとはな。急ぎ出発する。」 メルシャーナ「分かった!」 N(この世には、人に紛れ、虎視眈々と人を破滅へ誘おうとする者がいるそれを「悪魔」 と呼び、人は歴史の裏で悪魔と戦っていた。そんな悪魔と戦う者を「守護騎士(エクソシスト)」と呼び称えた。エクソシストの起源は円卓の騎士とされ、長い間円卓の騎士に関するエクソシスト達で受け継がれている。そして、1676年。当代最強と言われる円卓の騎士が、悪魔を滅ぼすために一斉にロンドンに向かった。) メルシャーナ「ついたぜ!ロンドン!」 ネロ「騒がしいぞ愚妹が。まだそこら辺の野良犬の方が静かだ。」 メルシャーナ「……わ、悪い……」 ジョン「やぁ2人共。早い到着だな。」 メルシャーナ「ジョン!久しぶりだな!」 ジョン「久しぶりメル。どうだいいい船旅だったか?兄妹水入らずの時間は作れたかい?」 ネロ「馬鹿を言え。コイツが騒がしくて落ち着く暇も無かった。」 メルシャーナ「い、良いじゃねぇかよ!久しぶりに船乗ったんだからよぉ!」 ネロ「幾つだ貴様は。」 メルシャーナ「23……」 ネロ「だからその歳になっても嫁の貰い手が居ないんだ。」 メルシャーナ「うるせぇ!俺は結婚なんかする気はねぇ!悪魔ぶっ殺してる方が性に合うしよォ!それに、俺より弱い男と誰が結婚するもんか。」 ネロ「呆れて言葉も出ぬわ……」 ジョン「まぁまぁ、喧嘩してもしょうがないだろ?コッチのエクソシストには話は通ってる。アジトを借りたから、案内するよ。」 ネロ「すまんな。」 N(アジトにて。) ジョン「貴族の君達からしたら、少し埃臭いかもしれないけど、結構いい所じゃないか?」 ネロ「選り好みはせん。」 ジョン「ありがとう。早速だけど、この資料を見てくれないか?」 メルシャーナ「なんだコレ?」 ジョン「最近ロンドンでの悪魔の動きおかしくてね。調査したんだ。ポーカー・デビルを知ってるか?」 メルシャーナ「あぁ。俺達の天敵だ。」 ジョン「ポーカー・デビルは、トランプの数字のように1から13の数を持つ悪魔のことだ。普通の悪魔と違い、比べ物にならないほど強い。だけど、10年前からK(キング)の位を持つ悪魔が行方不明になのを知ってるね?」 ネロ「あぁ。」 ジョン「君は因縁があるからね。シティ北部のブルームスベリーに、ポーカー・デビルの4(フォー)が発見された。調査に向かわせたエクソシスト30名のうち29名を殺して1人にこう言った。」 ハスター(貴様らエクソシストはもう終わりだ。我等が王であるルシファー様が近いうちお目覚めになられる。終焉と創成の時は来た。) ネロ「創成?戯言を抜かせ。10年もの間尻尾巻いて逃げ隠れてた家畜が。」 ジョン「再び、エクソシストと悪魔の全面戦争が起きる。だから、わざわざ君達を呼んだのさ。」 メルシャーナ「他の円卓は?」 ジョン「何人かは今向かってるようだ。コーンウォールで赤い光を確認できたから、パーシヴァルは上陸したと思う。他の円卓は独自に調査を進めてるよ。さぁ、メンツは揃った。君の一言で、我々円卓の騎士は君の元に集結する。さぁ、ご命令を。アーサー。」 ネロ「サー・ガヴェイン ジョン 皆を集結させろ。……我等が始祖、円卓の騎士の誓い従い我々は再び集う。円卓の元に!悪魔を殲滅せよ!」 メルシャーナ「御意。」 ジョン「仰せのままに。」 N(10年という月日を得て、再び円卓の騎士は集う。そして、アーサーの名のもとに集った円卓の騎士達は、誓いを立てこれからの戦いに備える。) ハスター「王を見つけた。」 N(とあるブルームスベリーの裏路地に、ローブのフードを深く被り、独特の杖を持った少女。ポーカー・デビル。ナンバー4 。とある女性が会合していた。その女性は、スラッとした体型に、出る所は出たナイスバディ。顔も、陶器のようなきめ細かい白い肌に、美しい顔立ちの女。ポーカー・デビルのナンバーA。) ハスター「王は10年前の戦いで先代のアーサーに枷をかけられ、記憶と魔術を喪失おられる。」 モルガン「……彼は、今何をしている?」 ハスター「今は人として、仕立て屋を営んでおられた。どうしてそうなったかは分からないが、記憶と魔術を喪失して自分を人と勘違いしてしまったのだろう。」 モルガン「皮肉な話ね。悪魔の王が人になるなんて。」 ハスター「問題はそれだけじゃない。ロンドンに様々なエクソシストが上陸して来ている。バチカンも重い腰をあげたと言うわけだ。」 モルガン「……なるほど。バチカンの相手は私に任せてくれ。時間を稼ごう。王は側近である君が何とかしてくれ。」 ハスター「どうするつもりだ?」 モルガン「戦い方は人それぞれだ。私私なりにやるさ。それよりも、客人が来たようだ。」 メルシャーナ( 至って普通の町だな。こんなかから悪魔を探せってのか?冗談じゃねぇぜ。) モルガン「……モードレッドの名を冠する円卓の者だ。」 ハスター「始末するか?」 モルガン「ダメだ。人の往来だ。みすみす私達の存在を明かす事になる。」 メルシャーナ(こんな時、ユーウェインの聖具があれば……どう言ったってしょうがねぇ。とりあえず手掛かりはまだ掴めていない。勘で動くしかねぇか!) N(メルシャーナは裏路地の方に入っていく。) メルシャーナ「大概こう言うのは裏路地に隠れてるのが定番だよな!」 モルガン(気づかれた!?) ハスター(どうやってバレたんだ!?) メルシャーナ「出てこいよクソ悪魔!ケツの穴に拳ぶち込んで、奥歯ガタガタ言わせてやる!」 ハスター(モルガン。お前は戦闘向きでは無い。逃げろ。アイツは私が始末する。) モルガン(すまない……頼むから死なないでくれよ!) ハスター「……そこのエクソシスト。貴様、何者だ?」 メルシャーナ「あ?」 ハスター「何者だと聞いている。どうして我々の居場所が分かった?」 メルシャーナ(やっべぇ!本当に見つけちまった!嘘だろ?こんな簡単に見つかる?いや、もしかしたらただの変な奴かもしれないし……もう少し様子を見て……) ハスター「答えぬか。我が名はハスター・ヴァンディール!王より4の冠位を授かった異なる存在を使役する悪魔!」 メルシャーナ(悪魔って言っちゃったよ!本当に見つかっちゃったよ!あ〜クソ!!相変わらず運が良いなぁ俺は!) メルシャーナ「俺の名前はメルシャーナ・ヴィルシーナ!テーブル・ナイト!モードレッドの名を冠する!守護騎士(エクソシスト)だ!……ここがテメェの墓場だぜ!」 ハスター「……なんだ、アーサーでは無いのか。つまらんな。迅速に死ねッ!」 メルシャーナ「主よ。我は懺悔します。国を、王を、そして父を……私の愚かなる行いに悔いり、この血と魂を未来に託す。……来いッ!クラレントッ!」 N(メルシャーナは手を天に掲げ、とある言葉を詠唱する。それは、初代円卓の騎士。モードレッドの懺悔の言葉。彼の血と魂が宿ったその剣は、魔剣となり……その魂は未来のテーブル・ナイトに託される。空から振って来た剣を掴むと、剣から血が流れ、メルシャーナはその血を浴びた。そして、一閃、剣を振るうと、全身を鮮血の甲冑に身を包む。) メルシャーナ「バチカンでは随分とあまっちょろい生活を送ってたからよォ!アドレナリンがらドバドバ溢れて来るぜ!」 N(メルシャーナは閃光のような踏み込みで一瞬にしてハスターの間合いに入った。) ハスター(速いッ!?このスピード……人間を超えているぞ!?) N( 聖具とは、魔を滅ぼす聖なる武具の事だ。魔に対する多大なる特攻を持ち、それでいて様々な効果を持つ。メルシャーナが持つ聖具「クラレント」 その効果は、身体能力の大幅な強化。) ハスター「 出ませいッ!」 メルシャーナ「オラァ!」 N(メルシャーナが横に一閃、クラレントを振るう。だが、その斬撃は突如として現れた巨大な触手によって防がれてしまう。) メルシャーナ「あ゛ァ゛ン !? んだこのタコォ!!!」 ハスター(裏路地だから良かったが、往来なら1発で目立っていたな。だが……もういいだろ。) メルシャーナ「卑怯だぞテメェ!」 ハスター「騒がしい犬が。今度はこちらの番だ。もう貴様が自由に剣を震えると思うなよ。……今から半径5km圏内、クトゥルフの腹の中と知れッ!」 N(ハスターがコンッ と杖で地面をつつく。すると、至る所から1m程度の魔法陣が至る所に現れる。そしてその中から触手が現れ、メルシャーナを襲う。) ハスター「踊れ!貴様が踊っているのは、自らを破滅させる死の踊りだ!」 メルシャーナ「クソが!うざってぇなコレ!!!」 N(ハスターの言う通り、メルシャーナは踊らせれていた。四方八方から絡みつくように攻撃してくる触手、触手は現れては消えを繰り返し、メルシャーナにじわじわとダメージを与える。) メルシャーナ(一度飛んで屋根に逃げれば!) N(メルシャーナは万力のような力を込め空を飛ぶ。屋根に飛び乗ろうとした時、触手によって足を捕まれてしまう。) メルシャー「クソが!?」 N(そしてそのまま地面に叩きつけられる。) メルシャーナ「ゴハッ!?」 ハスター「4番目だからと言って油断したか?そこら辺の雑魚共と一緒にするな。モードレッド、だったか?私はポーカー・デビルだ。殺したければアーサーを連れて来る事だな。何時の時代も、聖剣使いは脅威だったからな。」 メルシャーナ「……ァ゛?……テメェなんか兄上が出張る必要ねぇんだよ。お前は、俺で充分だ!……良い感じに血が沸いて来たぜッ!テメェこそ、そんな魔法陣の数で足りるのか?」 ハスター「最後の遠吠えか?」 メルシャーナ「……第二段階解放ッ!(セカンス)」 N(メルシャーナの身体から煙が出る。まるで鎧が沸騰するかのように……実際、沸騰し高熱を帯びている。陽炎に包まれたその刹那……) メルシャーナ「熱くなって来たぜッ!突っ走ってやる!感じろよカス悪魔ァ!これが俺の、モードレッドの熱だァ!」 ハスター(ッ!?……なんだ今は……私は今、コイツに危険を感じたのか?いいや!関係ない!コイツはここで殺す!) N(メルシャーナの直線上に、無数の魔法陣が現れる。先程の倍以上に展開された魔法陣から現れ襲ってくる無数の触手。) メルシャーナ「足りねぇよ。今の俺を止めたいなら、今の倍もってこいッ!」 N(触手は全て切り落とされ、気がつけばメルシャーナはハスターの眼前に迫っていた。) メルシャーナ(取ったッ!) N(刃が喉を捉える刹那。鉄と鉄がぶつかり合う。ハスターは杖でメルシャーナの剣を防いだのだ。) メルシャーナ「くっ!?」 ハスター「魔術師だから近接はできないと思ったか?」 メルシャーナ「あァ゛ン!?」 ハスター「私が魔術師になった理由は、身体を鍛えなくとも強いからだ!」 N(ハスターは剣を捌いて、メルシャーナの胸にコツっと、杖を当てる。その刹那、体内が爆発するような衝撃走りメルシャーナは倒れる。) メルシャーナ「ゴハッ……!?」 ハスター「良くやった方だぞ。では、死ね。」 ジョン「待ってくれないか?」 ハスター「何?」 モルガン「……すまん……やられて、しまった……」 ハスター「ソイツを離せッ!でないとッ!」 ジョン「待て待て!取り引きしようじゃないか?目の前で仲間がやられのは心苦しい。それは君達もだろ?」 ハスター「……良いだろう。解放してやる。その前に、ソイツを先に渡してくれ。」 ジョン「いいよ。」 N(ジョンはモルガンをハスターの元に投げ渡す。そしてハスターはモルガンを抱えジョンがいる逆方向に走る。) モルガン「すまない……」 ハスター「そんなに強かったか?お前は腐ってもポーカー・デビルだろ。」 モルガン「違うアイツじゃない……」 ハスター「じゃあ誰だ!?」 モルガン「ッ!?上だ!」 N(二人を影が覆う。その影の中から、光が走る。) モルガン「幻影の忍鴉(シャドウ・バード)ッ!」 N(影から鴉が這い出てくる。二人を覆う光に向かって鴉が向かって突撃する。) ネロ「その程度か?」 N(一太刀横に振るえば、鴉の群れは瞬く間に切り伏せられそして……) ハスター「出ませい!」 N(ドガン!っと、大きな爆発が起きる。ネロが目にしたのは、大きな蛸。禍々しい雰囲気を持つそれは口を開け彼を飲み込もとするが……) ネロ「跪け。貴様ごときが、我を止めれるわけも無い。」 N(ネロの持つ剣の輝きがより強くなる。宙で回転し、一太刀振るう。巨大な蛸は消え失せ、残るのは砂煙と瓦礫とエクソシスト3人。) メルシャーナ「はぁ……はぁ……悪い、兄上……」 ネロ「……修行が足りんな。」 ジョン「頑張ったんだし、褒めて上げなよ。」 ネロ「結果がついてこなければ、努力とは言えん。それにしても、よく見つけたな。」 メルシャーナ「ま、まぁ!俺の頭脳を使えばこんなもんよ!」 ジョン「たまたまだったんじゃないのかい?」 メルシャーナ「ギクッ!?」 ネロ「よく見つけた。これで、一歩前進と言った所か。メル、お前はアジトに戻って休め。後は我等で調査を進める。」 メルシャーナ「ちょ!待ってくれよ兄上!俺はまだ戦える!」 ネロ「黙れ。貴様は既にポーカーデビルと戦闘し負傷している。貴様を庇いながら戦えるほどこの戦いは甘くない!……失せろ。」 メルシャーナ「で、でも!」 ネロ「やる事をやれ。邪魔だ。足でまといだ。」 メルシャーナ「……わ、分かった……」 N(メルシャーナは兜を深く被って、応援に来たエクソシスト達と共に去っていく。) ジョン「もう少しマシな言い方があるんじゃないか叔父上。」 ネロ「取り繕う必要も無い。事実だ。」 ジョン「でも、頑張ったのにあれじゃ報われないよ。褒美の言葉の1つでも言えば良かったんじゃないかい?」 ネロ「ん?言っただろ?」 ジョン「え?」 ネロ「よく見つけた。と、言っただろ。」 ジョン「……叔父上?もしかして、それ褒めてるって思ってるの?」 ネロ「褒めてないのか?」 ジョン「……あ〜もう……もういいや。それより、あの子達は追わなくて良いのかい?」 ネロ「良い。向こうの目的はキングだ。この街に居るという事は、恐らくだいたいの目星はついていると言う事。アレだけの騒ぎを起こしたのだ。目的のキングとやらも様子が気になるだろう。そして敗走の兵が向かうのはいつだって本丸だ。」 ジョン「なるほど。ほんと、君には頭があがらないよ。」 N(一方モルガン達は目的とは別の場所に走っていた。その時、ネロ達の会話を影の鴉で聞いていたのだ。) ハスター「おい、どこに向かっている?」 モルガン「流石に、影の鴉には気が付かなったようだな。アレだけの騒ぎだ。キングが記憶を無くしたのなら、一般人と同じ。野次馬の中に紛れて見物するはずだ。」 ハスター「 写本は持っている。……賭けるか?」 モルガン「失敗すれば全部が水の泡だ。唯一それだけが、キングの記憶を復活させれるものだ。」 ハスター「分かっている。」 メルシャーナ「見つけたぜェ!!!クソ悪魔共ォ!!!」 モルガン「何!?」 ハスター「しぶといな貴様ァ!」 N(一方その頃……) ジョン「やっぱり、聞かれてたみたいだ。影の鴉か。盗み聞きなんて悪趣味じゃないか?……それより、大丈夫なの?」 ネロ「何がだ?」 ジョン「メルの事だよ。」 ネロ「あやつは強い。一人前のエクソシストだ。我が心配する必要は無い。」 ジョン「それ、ちゃんと言ってあげなよ?」 ネロ「言ってるつもりだが?」 ジョン「はぁ……もういいや。メルが見つけた見たいだし、行こうか。」 ネロ「殲滅しにな。」 N(ネロはメルシャーナに言った。「やる事をやれ。」と。この意図を汲み取ったメルシャーナは退却振りをして、逃げた悪魔二人を追っていたのだ。) メルシャーナ「 第三段階解放(サース)ッ!」 N(メルシャーナの聖具。クラレント。この聖具の交換は、使用者の傷の具合によって、身体能力を向上させていくもの。そして痛覚の麻痺。肋3本。鼓膜破裂。により、第三段階が解放される。そしてその身体能力は……) ハスター(早いッ!魔術は間に合わん……なら体術で!) メルシャーナ「さっきの俺とは違うぜ?」 N(人を超越したスピードで撃ち合う二人。現在メルシャーナの身体能力は悪魔と同等。だが、痛覚が麻痺してるだけでダメージが無いわけではない。同等と言えど凌駕した訳ではない。) メルシャーナ「ゴハッ!!……まだまだァ!」 N(吐血しながらも剣を振るう。だが、今ここには2人のポーカー・デビルがいる。) モルガン「強いだけではつまらんぞ? 【魅惑の囁き(サイレント・ウィスパー)】 メルシャーナ(ッ!?なんだコレ!?目が、見え……) ハスター「そこだッ!」 メルシャーナ「ぐわぁぁぁ!?」 N(ハスターの一撃を受けて、メルシャーナは吹っ飛んだ。) モルガン「催眠や情報収集で使う魔術だが、奇襲でも案外使えるな。」 ハスター「今の一撃で、しばらくは動けないだろう。止めを刺したいが、我々には時間が無い。」 ネロ「そう急ぐな。」 モルガン(ッ!?) ハスター(なんだこの圧は!?) N(2人が感じたのは、とてつもない圧。全身に重りがのしかかったような圧迫感。そして、全身から走る危険信号。……圧倒的強者。長年続くテーブル・ナイトの歴史の中で、当代最強と謳われるテーブル・ナイト達を束ねる長。アーサーの名を関するもう1人の王。) ネロ「ネロ・ヴィルシーナ、この名を覚えて逝け。さすれば、地獄の通りも良いだろう。」 ハスター「……ッ!抜かせッ!外なる神、理の全てを記しその門のさ」 ネロ「(被せ)跪け。そして首を差し出し 、聖なる光に抱かれ死ね。」 N(一瞬だった。ほんの一瞬。瞬きを許さぬその一太刀で、悪しきを魔を切り伏せた。) モルガン「ありがとうハスター。時間を稼いでくれて。」 ジョン「そうはさせるかよ!」 モルガン「いや、もう遅い。」 N(ジョンがモルガンの背後から襲いかかる。モルガンが振り向き、ジョンと目を合わせた刹那。彼女の手に握られた一冊の本によって、辺りに大きな魔法陣が浮かぶ。) ジョン「聖具が、通らない!?」 ネロ「クソ……下がれジョン!退却するぞ!ここは危険だ!」 ジョン「分かった!……クソッ!こんな時間じゃ無ければ……」 N(ネロはメルシャーナを抱え、退却して行く。) ハスター「クソ……しばらくは生首だけか。王との謁見の前に、こんな無様な醜態を晒すとは……」 モルガン「変わり身の魔術を使ったが、魔術すら切り裂き肉体を消滅させるとは……凄いな、あの男。」 ハスター「あぁ。だが何はともあれ、これで王の記憶と魔術は戻る。」 モルガン「写本を見つけるのには苦労したさ。だか、これで他の皆も戻って来る。」 N(この時、この瞬間……史上最悪の忌み子が復活したのだ。) メルシャーナ「……あ、兄上……ッ!?ここは!?」 ネロ「アジトだ。貴様が倒れて半月ほどたった。」 メルシャーナ「き、傷は?」 ジョン「傷はロインが治してくれたよ。」 メルシャーナ「ギャラハッドの奴か……悪魔はどうなった!?」 ジョン「ネロが1匹仕留めた。現存するポーカーデビルは残り12匹。まずまずの立ち上がりだと思う。だけど、気になる点はいくつかある。もう1匹が取り出したあのほん……アレが不可解だ。」 ネロ「ギガス写本だ。バチカンの書庫に、確かあの写本について記述されていた本があった。用途は分からないが、あの写本は何かを移したものだろう。恐らく魔術のな……」 ジョン「それについてはおいおい調べて行く。向こうの目的についてはまだ不明な所があるが……」 N(ロンドン地下水路にて。) モルガン「向こうは我等の目的について明確に把握していない。キングの事を徹底的に秘匿してきた甲斐があった。」 ハスター「その点では、こちらは一歩先を言ってるという事か。恐らくだが、向こうは私が死んだと思っているだろう。」 モルガン「好都合さ。口さえ開ければ魔術は使えるだろう?」 ハスター「あぁ。……写本には何と記述されている?」 モルガン「王の復活を待て。まだ次の文字は出てきていない。これで、彼の記憶と魔術が戻ったのは確かだ。後は向こうからのアクションを待つのみだ。」 ハスター「さぁ、いよいよだ。地獄に落ちて数千年。我等は苦しんだ。もう充分だろう。そろそろ、安定した暮らしを手に入れようでは無いか。我等が悪魔と呼ばれるのはもう最後だ。我々こそが、本物の人間なのだ。……皆もそう思うだろ。ロイヤルヘル諸君。」 N(地下水路に集うは13人のポーカーデビル。人と魔による殲滅戦争が、ついに始まった。この戦いの行く末は……殲滅魔境都市「ロンドン」 ついに開幕。) [完]
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