図書室から

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 ネットの閲覧履歴は、私の頭の中身と同じだ。    もしも、湊人くんともう会えなくなったら、どうしよう。    そればかり考えている。  最後に会った日、湊人くんは本を返却するばかりで、リクエストはなしだった。  湊人くんは、もう図書室に来ることはないのかもしれなかった。  湊人くんが退院する日の夜、 「退院おめでとう」  と、SNSで一応送った。  すると、 「ありがとう」  と、返ってきて、 「でもまた病院に帰らなきゃだけど」  と、続いた。  なぜか涙が出てきた。でも考えすぎかもしれない。ネットを見すぎたのだ、きっと。  私は涙を拭いた。本当にこのやり取りがSNSで助かった、と思った。 「大変だね。早くよくなるといいね」 「うん。でも今度の入院で、最後になるかもって」 「よかったね」  ほかのことを考えながら打つので、文面がAIみたいにそっけなくなってしまう。  本当に言いたいことは、だいぶたってから送ることができた。 「今度、いつ会えるかな?」  すると、 「明日」  と、返ってきた。  湊人くんの最寄り駅で待ち合わせをした。そして、その辺のカフェで少し話した。 「最近、本読んでるの?」
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