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レギル「しかし、その女の子もよく参加しようなんて思いましたね」
マーゼリ「…それがね、その女の子なんだけど…意志の疎通が出来ないみたいなの…」
レギル「え…?」
マーゼリ「私ね?一瞬その女の子の姿が見えたんだけど…まるで人形みたいだったわ。生命を感じないというか…感情が無いというか…」
レギル「感情が無い…?」
マーゼリ「目に光が宿ってないの…しかも無表情で俯いたままでね?言い方は悪いけどやはり人形みたいだった…」
レギル「……」
マーゼリ「だからこそ尚更そんな子を旅に出すべきではないと私は思うの。親御さんがどんな気持ちで推薦したかは知らないけどね…それにもう一つ理由があるの」
レギル「理由?」
マーゼリ「今回契約する男側の方なんだけど…その女の子と契約出来る人間が居るみたいなの…この国の兵士の中に…」
レギル「え⁉︎じゃあ…」
マーゼリ「…レギルちゃんがその兵士の可能性があるわ」
レギル「っ…!」
マーゼリ「レギルちゃん、もし…もしレギルちゃんがその兵士だったら…レギルちゃんはどうしたい?」
レギル「…分かりません、世界中を見て回るというのはきっと楽しい事でもあり辛い事でもあるでしょうから…行ってみたい気持ちはありますが何より相手の事を考えると断るべきだとは思います」
マーゼリ「そうね…」
その時、街の方から騒がしい音が聞こえた
マーゼリ「何かしら?」
レギル「何かあったんでしょうか」
俺達が話していると、同じ部隊に所属している兵士が俺の元に駆け寄ってくる
「レギル!ここに居たのか!」
レギル「どうしたんだ?そんなに慌てて」
「王が兵士達全員城に集まれって招集がかかったんだよ!おまえも急いで来い!」
レギル「あ、あぁ、分かった。それじゃあマーゼリおばさん、ごちそうさまでした」
マーゼリ「気を付けてねレギルちゃん…また来てね」
おばさんに言われた訳ではないが、妙な胸騒ぎがするのはどうしてなんだろうか…
いや、今はとりあえず城へ向かおう
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