自分だけが片思い?

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❇︎❇︎❇︎❇︎ 朝起きて、制服に袖を通して、気合を入れるために 自分の頬を2回叩く。 そんなに辛いなら別れてしまえばいい。 利希の言う通りかもしれない。 朝ご飯を食べるため、自室から出ようとしたら、机の上に置いてあったエメラルドグリーンの箱と目が合う。 「……。」 机に歩み寄り、箱を開けて中身を出し、鎖を外して首にかける。 カッターシャツの制服なら、近付きさえされなければ、先生には見つからない。 ……やっぱり可愛い…… 辛いのに嬉しい。 別れた方がいいって気がしているのに、彼からもらった物を大切にしてしまう。 矛盾。 「お姉、朝ご飯食べろって母さんが言っている。」 今日はドア越しから利希が声をかけてくる。着替えていたらと思って気遣ったのだろう。 「今、行く。」 朝ご飯の前にメッセージアプリを開けて、[おはよう]とスタンプ付きで返す。 15分前に松田くんから[おはよう]と連絡が来ていた。 既読にはならない。 彼はもう学校に着いて、サッカー部の朝練をしている。 上手いだけでなく、サッカー大好きなのだ。 噂では、高校進学の時にサッカーで名を馳せる私学からお誘いの声もあったそうだ。でも、プロになる気はないし、サッカー以外のことでも高校生活を楽しみたいと断ったようだ。   だから、今がある。 私は松田くんに会えた。 こんなに好きになる人はもういないかもしれない。でも、一緒にいればいるほど逃げたくなる。 矛盾だ。
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