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どうしよう…どうしよう…こんな…
二人でお昼の時は空き教室で食べる。松田くんも私もお弁当を持参していることが多いし、空き教室なら二人になれた。
でも……今日は……何を話したらいいのか…さっきのやり取り…私がいなかったら、松田くんは茅野さんと揉めなかったんじゃないのかなって。
そもそもやはり、この人に文化部のサッカーなんて知らない彼女は必要ないはずだ。
松田くんはもう迷わないって言った。宮田くんとの関係を見つけた今、私が彼と一緒にいる意味はどこにある?
「舞香?」
松田くんの手が髪に触れそうになった瞬間、椅子から勢い良く立ち上がっていた。
「あの…その…」
私……
「別れる。」
「えっ?」
言葉を咀嚼するかのように、松田くんは何度か瞬きをした。
「松田くんと別れる。さようなら!」
言い逃げ。
顔も見ずに教室を飛び出した。
荷物も全部置いて。
言ってしまった。別れると。
もう戻れない。
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