同じ匂い

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「知りたいんだけど。新内さんの本心。」 「私の……?」 「高校生とは恋愛できない?」 間宮くんと恋愛……そんなの答えは決まっている……でも…… 「……できない。」 「それ本当に本心?じゃあ何で俺に会いにきたの?」 だってこのまま一緒にいることになったら…… 「怖いの。」 「えっ?」 「間宮くんといたら私は一人に戻れなくなる。もし間宮くんがいなくなったら私……」 あれ程までに一人がいいって思っていたのに。 間宮くんの抱きしめる腕の力が強くなる。 「戻らなくていいよ。ずっと俺といたらいい。」 「……でも、バンド……」 「同じ空を見て、同じように綺麗って思った気持ちは、物理的な距離でダメになるの?」 「……。」 「俺はあの日、新内さん以上の人にはもう出会わないと思ったよ。だから信じて。高校生の言うことなんて、信じられないって言われたら終わりだけど、でも、信じて欲しい。」 そんなこと言われたら……間宮くんの背中に手を回した。広くて大きな背中。 「……間宮くん以外の人なら、私は一人でいいって思っている。だから、間宮くんが離れないなら、私はずっとここにいる。」 同じ匂いのする人に、巡り合うことはもうないと思っている。私も。例え周りから何と言われようとも。
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