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松田くんの仮彼女になってから、クラスの男の子たちに絡まれることが増えた。彼らが口々に言うには、「本当にただのゲーマーだよ。」「紳士ぶってるけど、マジでバカだよ。この間もどちらが遠くまで紙飛行機を飛ばせるかって言って、四階の窓から宮田と紙飛行機を飛ばして、純ちゃんに怒られてたし。」「その紙飛行機がさ、二人とも家で徹夜して何度も改良を重ねて作ってきたやつ。何やってんのって感じでしょ。」とのことだ。
でも、そんなこと言いながら、彼らはみんな松田くんのことが好きなのだ。もちろん、宮田くんのことも。だってこの間もみんなでグラウンドでフリスビーをして大騒ぎしていた。もちろん後で浅間先生に怒られていたけど。
「もう無理!!」
叫んで、雑誌を放り投げたら、壁に激突した。
こんなボディを強調したニットとか、膝上のミニスカートとか恥ずかし過ぎて着れるわけがない。
別にオシャレに全く興味がないわけではない。桜ちゃんとそう言う話で盛り上がることもある。
好みの問題だ。
スカートは膝下の方が落ち着くし、ニットはざっくりしてる方が着心地がいいのだ。
「デートなんてドタキャンしたい!!」
って言うのは本音ではない。だって、そのデートの日、私の誕生日なんだもん。好きな人には会いたい。
もちろん、松田くんに誕生日ですと言ったことはない。仮であっても、ついこの間付き合って、自分の誕生日をアピールするのもなぁと思ったのだ。
デートになったのは、忙しいサッカー部が久しぶりの1日オフだったから。それだけ。
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