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ゲーム
翌朝。
ベッドから起きてカーテンを開くと、窓ガラスの間の隙間にカードが挟まっているのに気付いた。
ひょっとしてセンヤくん…?
私はカードを手に取ると開いてみた。
カードの内側にメッセージが。
カードの間にも紙が挟まっている。
『昨夜、王立美術館にこの紙を挟んだカードを送っておいたぜ。今頃、皆、必死になって頭を使っているだろうよ』
頭を使って…?
何の事だろう??
私は挟んであった紙を開いてみた。
『天上の雫はここに隠したぜ』
読めたのはそこだけで、後は暗号文のような文字が羅列されていた。
この暗号を解くと天上の雫(偽物)の在処が解るみたいね。
私はしばらく暗号を見つめていたけど、やがてピンときた。
朝食を摂ると、心当たりのある場所へ向かう。
街は天上の雫狙いか、いつもに増して人で溢れ返っている。
「天上の雫は必ず手に入れてみせるよー!ヤマムラ家の名に掛けて!」
私と同じカードを持ったリョウ様が片腕を高く挙げてゲームの参戦を叫んでいるけど、周りの人達同様、暗号はまだ解けていないみたい。
「リョウ様」
「カスミちゃん?!」
「ちょっとコッチへ来てくださる?」
「?う、うん」
リョウ様は解せないと言いたげな表情をしていたが素直に私に着いて来る。
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