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私はひと気の少ない噴水広場までやってくると、ベンチにリョウ様と2人で座った。
リョウ様は、すっかりセンヤくんの持っている天上の雫が本物だと思っている。
偽物だと知ったら手に入れた時、どんなにガッカリするか…。
本当のことを知っているのは私、センヤくん、そしてワタル様。
リョウ様なら、きちんと話せば解ってくれそうな気がする。
私はリョウ様に口止めしてから、本当のことを話すことにした。
「リョウ様。今から話すことは秘密の事だからワタル様とセンヤくん以外には誰にも言わないで下さいね」
「??ワタルくんは知っているの?それからセンヤくんって誰?」
そうだ。
リョウ様は昨日ここであったことを何も知らないんだった。
私は順番にリョウ様に話していく事にした。
「センヤくんは第1王女様のパーティーの時に偶然出逢った怪盗ですわ」
「怪盗Sってセンヤって意味だったんだ…」
リョウ様が手にしているカードを見ながら俯いた。
「フルネームはタモツ・センヤ。彼が盗んだ天上の雫は今、私が持っていますの」
「えっ!天上の雫を持っているの?!」
リョウ様は驚いたように言うと、慌てて自分の口を抑えた。
が、時すでに遅し。
ゾロゾロと男達が大勢出てきた。
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