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お陰で、私は小さい頃から、お金に関して不自由する事は無かった。
実際、宝石や綺麗な物が大好きだ。
「そう言えばさあ!こんな噂、知ってる?」
内緒話するには、声のトーンを抑えずにリョウくん…じゃない、リョウ様は言った。
近くにいた貴族達がコッチを見る。
何か…マズイ雰囲気。
「リョウ様、噂話をする時は声のトーンを抑えましょう?」
ワタル様が小さな声でリョウ様に優しく言った。
「うわわ、そっか」
慌てるリョウ様。
「あのね?………」
今度は小さ過ぎて聞こえない。
「リョウ様、僕だけに聞こえるように僕に耳打ちして下さい」
「えっ?でも、そうしたらカスミちゃんに聞こえないよう」
リョウ様は困惑している。
何か…危なっかしい方だわ。
歳上って感じがしない。
様ってつけるのが何か変な感じ。
…って、カスミ、『ちゃん』?!
「大丈夫ですよ?カスミ様には僕から伝えますので。それから、『ちゃん』ではなく、『様』と、つけましょうね?」
「はーい、ワタルくん」
そう言って片腕を挙げるリョウ様だけど、『くん』も『ちゃん』と変わらない様な…。
だけど、その点に関してはワタル様は慣れているのか特に咎めもしないでリョウ様に耳を近づけた。
素直に耳打ちするリョウ様。
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