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「馬鹿野朗」 センヤくんがそう言うとリョウ様の手は自然と離れた。 「センヤくん!リョウ様は仮にも公爵家の御子息です!無礼を謝って下さい!」 ワタル様が2人の間に入ってそう言うけど、私は何故か心が暖かくなった。 センヤくん、ヤキモチ妬いてくれたのかな…。 その時、バチッとセンヤくんと目が合って私は慌てて目を逸らした。 何やかや4人で暗号の在処の場所にたどり着いた。 「先客がいるみたいだぜ」 センヤくんが小声で言うのと、その先客さんが偽物の天上の雫を手にしたのはほぼ同時だった。 「ふん…偽物、か。世間を散々騒がせておいて、タモツにはお仕置きが必要だな」 「悪徳貴族ゴサク。よくわかったな。だが、あんたのお仕置きはもう沢山だ。コッチは4人。あんたは1人」 「来たか。タモツ。何、見られた方が燃えるというもの…」 ゴサク様はゆっくりセンヤくんの方へやってくる。 だけど、その時。 「ここだ!もう手にしている奴がいるぞ!」 暗号を解いた人達が次々にやって来て、ゴサク様の手にしている贋作を奪おうと距離を詰める。 「行くぞ」 センヤくんは何処か寂しげにそう言うと私達を率いて、その場を後にした。 それからゴサク様は命を狙われる様になる。
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