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余興
ワタル様とリョウ様とは、集まりで頻繁に会う様になった。
そして、センヤくんは…。
お屋敷。
私の自室にて。
「本当に行ってしまうのね」
「ああ。窃盗罪で捕まらない内に、な」
「寂しくなるわ」
「何言ってんだ。カスミ、あんたと俺じゃ住む世界が違う。良い男捕まえて幸せになれよ」
そう言うとセンヤくんは窓から飛び降りた。
これで2度目だからもう驚かない。
でも、もし…もしも、私の気持ちを知っていて、そう言ったんだとしたら許さないんだから。
私は窓に手を掛けて小さく呟く。
「なかなか面白い余興だったわよ、センヤくん」
窓を閉めて振り返る。
そこには天上の雫が、青く綺麗な光を放っていた。
完
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