出会い

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 そろりと階段を上がると、慎重に襖を軽く開けました。室内では、母がミシンで鞄を縫っておりました。作業が一段落するまで待つと、わたしは母に、声をかけました。 「お母さん、庭の梅の木が、実をつけたの。記念に貰っていって頂戴な」 「おや、本当だね。細かく切って、おむすびにでも入れようか」  そうして、母と暫く雑談していると、ピンポンと呼び鈴が鳴りました。
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