はじまりの村

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フウナちゃんの怖い顔を見た日から2週間が経った。 今日は朝から畑仕事の手伝いをやっている。畑に生えた雑草を根っこから引き抜くだけの簡単な仕事だ。 しゃがんで作業をしていと、徐々に腰が痛くなってくる。 たまに立って腰を伸ばしているが、その時が一番痛い。 立ち上がって10秒もすれば、痛みは消えるけど、何度も痛くなるのは嫌だ。 農家のおじさんは僕よりも、もっと辛そうに作業している。 おじさんが我慢しているのなら、僕も我慢するしかない。 数日前に再び『お医者さんごっこ』をして遊んでいた時、台の上に座らせたミアカちゃんの姿が、草むしりをしている僕と同じような姿勢だと思ったら、ちょっと面白い。 あの日は、僕がお医者さん役でミアカちゃんが患者さんの役だ。 お医者さんごっこの遊びだとフウナちゃんは、また怖くなるかも知れないと思い、メンバーを1人替えて、僕とミアカちゃんとエモナちゃんの3人で遊んだのだった。 ミアカちゃんは、僕が思っていたより子供のようで、服を脱がされても恥ずかしがらずに遊んでくれた。 ミアカちゃんにエモナちゃんがイタズラしても、ミアカちゃんはイタズラされているとは思っていない様子でパンツも脱がされていた。 あの日は、お医者さんごっこって、本当に素晴らしいと思った。 お医者さん役なら、じっくりと女の子の『女の子部分』を観察しても怒られないのだから!! 更に『女の子部分』を詳しく観察をする為に、ミアカちゃんのしっとりとして温かい部分を触った時も、ミアカちゃんはキョトンとしているだけで、僕は怒られなかったのだ。赤ちゃんの頬っぺたみたいにプニプニして柔らかい割れ目の横のお肉。プニプニお肉を指で押して割れ目を左右に拡げていく。 中にピンク色した小さな唇のような物が見える。その中は、どうなっているのだろう? 唇のような部分を指で触って間の部分を見た。 へー、なるほど。あっ、『女の子って、こんな所から出るのか』と指で触れていた部分に顔を近付けて匂いを嗅いだら、ミアカちゃんに頭を思いっきりグーで殴られて、メチャクチャ痛かった。 見たり触ったりするのはOKでも、嗅ぐのはNGらしい。 女の子が怒る基準が僕には分からないな。 ごっこ遊びの時を思い出してないで、草むしりに集中して早く終わらせよう。 1時間後、草むしりが終わった。 『クエスト達成 10ポイント獲得』 あー、つーかーれーたぁー。 ごろんと横になりたい。 農家のおじさんから草むしりのお礼として数種類の野菜をちょっとずつ貰った。 腕が痛いのを我慢しながら手提げ袋いっぱいに入った野菜を家に持って帰る。 「ただいまー」 玄関に入ると野菜の入った手提げ袋を床に置いた。重さで指が千切れるかと思った。 千切れてないよな?と確認するが、指先の色が少し変なぐらいで、千切れては無かった。当たり前か。 母は仕事に出掛けているようで返事が無いから少し寂しくなった。 『無理をしていてなければいいのだけど』と母を心配しながら野菜を台所まで運ぶ。 その後、部屋の掃除をしていると母が仕事から帰って来た。 玄関に迎えに行くと母は疲れた様子で元気が無かった。 無理をしてしまったのだろうか? 僕は母に何て声を掛けたらいいのか分からずにいた。母の手を引いて寝室まで連れて行くと、母はグッタリした様子でベッドに横になっていた。 頑張って仕事をしてくれている母の為に、僕は美味しい食事でも用意しよう。 今日は野菜が沢山あるので、いつもよりも美味しい料理が作れるように思えた。 しかし、僕の料理の実力では、普段僕が作る料理とあまり変わらなくて残念。 もっと料理の勉強もしないといけないようだ。 食事した後、母はよっぽど疲れていたらしく、椅子に座った状態のまま寝てしまった。 肩を揺すって起こそうとしたが、揺すっても起きてくれない。 僕の力だけでは母をベッドに運ぶ事さえ出来ない。 誰かに頼む事も出来ないので、母が目を覚ますまで待つしか無いのだろう。 数時間後。 短い時間だけど母が目を覚ましたので歩いてベッドまで行って貰った。 半分目を閉じたままフラフラと歩く母の姿に心配したが、なんとか無事にベッドまで移動出来た。 母の体は汗でベタベタしているようだっので、服を脱がせて濡らしたタオルで体を拭いていく。 『起きて風呂に入ってくれたらなぁ』と思うが、こんなになるまで頑張ってくれた母に感謝する。 下着姿の母の体をタオルで丁寧に拭いていると、汗とは違う感じでベタベタしている部分が何ヵ所かある。 何がベタベタしているのか分からなけど、何かで汚れているのは確実なので綺麗に拭き取った。 今日は本当に疲れた。 僕もフラフラの状態で自分の部屋に行くと、ベッドの上に倒れ、そのまま寝てしまった。 その日の夢の中では、何かにビックリしたミアカちゃんがオシッコをチビってしまい、近くに居た僕が何故か殴られていた。 インパクトのある記憶って、夢の中にも出るのだな。
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