はじまりの村

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畑仕事が原因の筋肉痛が数日間続き、やっと治ったと思ったら、再び畑仕事が入り少し落ち込んでいた。 畑仕事に向かっいる途中で、僕はエモナちゃんから、特殊レアアイテムの『若き乙女の聖水』を貰った。 これは絶対にエモナちゃんのイタズラって言うか、悪ふざけだ。 「畑仕事で流した汗の塩分を補い元気になる魔法の聖水だから、後で飲んでね」と言われたが僕は飲まない。 エモナちゃんと別れたら、直ぐに捨ててやるぞ! そんな事を思っていると、エモナちゃんがニヤッと笑う。 エモナちゃんは、僕を試しているのか? 貰った小さなガラスビンの中に、液体が入っているのが透けて見える。 この液体が『若き乙女の聖水』らしいが、絶対に違うと思う。 それに、さっきエモナちゃんに連れられて近くの建物の裏側に行くと、俺の目の前でビンに注いでいるところを見せられている。これが『若き乙女の聖水』と言われても、僕には理解出来ない。 『特殊レアアイテム』なのは間違いないけど、これを飲む勇気は僕には無い。 ホカホカのビンを持たされた僕は、どうしたらいいのだろうか? 特殊レアアイテムなら、高額で売れるのか?いや、こんなの買う人なんて居ないはずだ。 畑仕事で疲れた時に飲むって、あり得ないだろう。 畑仕事をする前なのに疲れてしまった。でも、仕事なので畑に行こう。 今回も畑に生えた雑草の除去がメインの仕事。 ブチブチと草を抜いていく。 たまに立ち上がって腰を伸ばすと、再びしゃがんで草を抜く。 ブチブチブチブチ、無心で抜いていく。 草むしりが終わったら、川で汲んだ水を如雨露に入れて畑の植物に水をあげる。 その時に何故かエモナちゃんの事を思い出してしまう。 シャーっと畑に水を撒く様子なのか、それとも地面に水が染み込んでいく様子がエモナちゃんを連想させるなのか分からない。 実際には、如雨露から出る水は「シャー」と音を立てずに静かだ。エモナちゃんとは違うのだ。 昼過ぎに畑仕事を終えた僕は、農家のおじさんから野菜を貰って家に帰った。 『クエスト達成 10ポイント獲得』 特殊レアアイテムの中身は、畑の栄養分にした。僕は後悔なんかしない。 捨てる前に試しでビンの蓋を開けて匂いを嗅いでみたら、臭かったので直ぐに中身を捨てた。 アイテム名は立派なのに実物が残念過ぎる。 きっと時間が経って鮮度が落ちたからダメに成ったのだろう。野菜と同じく採れたての生が一番良いに決まっているはず。たぶん、そうに違いない! エモナちゃんのイタズラは忘れて、夕食の準備を手伝う事にしよう。 その日の夜中、僕は変な夢を見た。 何故か僕は40歳ぐらいのオジサンの姿に成っていて、ミアカちゃんと2人きりで『お医者さんごっこ』をしていた。 ミアカちゃんは、僕の姿が10歳の男の子に見えているみたいで「ゆきのふくん」と僕を呼んでいる。 オジサン姿の僕は医者の役らしく、服を全て脱がせたミアカちゃんの全身を触って観察していた。 ミアカちゃんは僕に触れられて「くすぐったい」と笑っていた。 10歳のミアカちゃんの体は全体的に細く、胸の膨らみは無いので男の子の僕と、あまり変わらないようだ。 僕と大きく違う部分は、股間に付いているか付いていないかの違い。 僕は、その違う部分が気になって仕方がない。 オジサン姿の僕は、ミアカちゃんの股の間に隠れていた部分を拡げて調べている。そこは、赤ちゃんの口の中にちょっとだけ似ているような気がする。その部分が病気じゃないような事をオジサン姿の僕が喋っているが、僕には言っている意味が分からない。 オジサン姿の僕の指がミアカちゃんの小さくてピンク色をした部分を撫でていると、徐々にヌルヌルとしてくる。僕は触ってヌルヌルになった中指をピンク色した部分にある穴の中にゆっくりと沈めていた。 オジサン姿の僕は何者なのだろうか? そして、この穴は、なんなのだろう。 温かくて柔らかい物に指が圧迫されている。温度やヌルヌル加減、そして指に掛かる圧力の全てが気持ち良い。 あの時に、もう少し指を入れていたら、こんなに気持ち良い思いが出来たのか?あの時の僕は、触っていた部分がヌルヌルしてきて不安になってしまい、中まで入れずに止めてしまった。今になって少し後悔する。 朝、目を覚ますと夢の中の記憶は徐々に薄くなり、顔を洗った時には夢の中の記憶は消えていた。 今日も、いつもと同じ普通の朝だ。 だけど、筋肉痛に成っている事だけが、いつもと違っている。しかし、それ以外は同じなので、ほとんど『いつもと同じ』と言っても良いと思った。
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