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粟島はその後しばらく、めそめそと泣いた。
涙がおさまっても、次は恥ずかしさでその場から立てなくなり、そのまま眠ってしまおうかとも思ったが、彼から風呂を勧められて、なんとか立ち上がることができた。
アルコールは涙と共にひととおり流れ落ち、もやついた感情は熱い湯船に浸かると、水面に浮かんで取れていった。
風呂から上がると、高価なアイスクリームが用意されていた。コンビニでしか買えない、新商品の味だ。
たっぷりと気遣われ甘やかされると、うやむやにしていたことを白状しないわけにはいかない。
粟島は、いままでぼやかしていた清宮への感情を、少しずつ打ち明け始めた。
「ばかだよね。なんで清宮なんかって、自分でも思う」
手のひらでカップを握ると、中のアイスクリームは溶けて柔らかくしなった。
「ばかじゃないよ、全然」
新谷は正面に座って頬杖をついている。目がまだ赤いのが恥ずかしくて、下を向いた。
「俺、人にすぐ相談するやつって嫌いなの。相談したいことがあるって近寄ってくる女とかさー、大抵は下心あるじゃん?」
新谷が頷く。彼はいかにも、そういう人間に標的にされそうなタイプだから、苦労したに違いない。
粟島も昔、やっとの思いで付き合いかけた男を、そういう女に横から奪われたこともあった。
相談してくるやつは、地雷でしかない——過去の苦い経験で、わかっていたはずなのに。
「清宮もさ、相談に乗ってほしいとか言うわりに、こっちにもその気があるみたいな態度取ってくるの。俺、そういう奴、大っ嫌いだったはずなのになー……」
「でも、好きになっちゃったんだ」
粟島は口角を緩ませながら、表面が溶けて液体になっているアイスクリームをかき混ぜた。
新谷の顔が、まだまともに見られない。

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