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私は草間さんを見つめたまま黙って考え込んだ。草間さんは、涙で濡れた目で私を見つめ返しながら、じっと返事を待っていた。
私はゆっくりと草間さんに言った。
「『>父さん』のほうがいいと思います。」
「え?」
「どう見ても草間さんのほうが父に優ってます。社長だし、素敵だし、スーツも艶々です。だから『>父さん』」
ニカっと笑うと、草間さんが苦笑して涙した。
「本当に、間違いなく、あの人の娘だね。」
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