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「ちょっと何よこれ」
高木友里菜の声も聞こえてきた。
「足場は?」
「知らん。俺は何もしてない」
友里菜の問いに和真が答える。
俺は戻って箱の中身を探る。しかし、足場替わりになるような物は入ってなかった。というより、無くなっていた。
「あおいちゃんは?」
友里菜は、いつも集まるもう1人の友人の名を出す。
「あー、いや。来ないんじゃないかな」
「今日忙しいの?」
歯切れの悪い和真にどんどん切り込んでいく。
「う、うん。そうみたい…」
和真の様子がおかしい。
「もしかして、フラれたか」
あおいは和真の彼女である。
「めっちゃ直球投げてくるやん」
「なんでフラれたの」
デリカシーなくどんどん突っ込んでいく。2人とも面白半分である。
「俺別に認めてないよ?!」
「じゃあ、なんなの?」
「すみません、フラれました」
友里菜の圧には弱い和真である。
「まぁ、あれだよ」
「浮気か」
「え?」
和真は誤魔化すのが下手くそだ。
「うわぁ…」
「まじか」
ドン引きである。
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