ハプニングは突然に

4/5
前へ
/11ページ
次へ
 「なんでバレたん」  「そこ掘り返すの?俺フラれてるけど」  「自業自得じゃん」  友里菜のガチトーンに、俺は流石にフォローに入れない。というか、入れられない。  「えっと、あおいに携帯見られまして…」  「「あぁー」」  俺と友里菜の声がハモる。よく聞く話だが、身近で起こるとは。  「でも、勝手に見るのは反則でしょ」  「証拠残しとくなよ」  「そうた?」  友里菜に呼ばれて、俺は言葉を慎む。  「とりあえず、この状況どうにかしよ。今日遊べないよ?」  そうだな、ともう一度箱の中を確認してみる。ピンポイントで、この状況を打破できる道具だけ抜き取られている。てか、いつの間に入られたんだ。  それぞれが今いる場所は空中にある。それぞれ少しづつ離れていて、合流することは難しい。  「落ちる?」  「この距離落ちたら死ぬぞ」  死んで復活しても、また今の場所に戻ってくるだけだ。意味が無い。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加