沢歩き

1/1
前へ
/1ページ
次へ
 二人は沢沿いの山道を歩いていた。道は緑に包まれていた。涼しげなトンネルのようだった。彼らは山道から沢へ降りた。柔らかな沢の流れの上で、木漏れ日がきらきら反射していた。 「やっぱり沢っていいね」彼はいった。 「心地よいわ」彼女はいった。こんなに穏やかで平和な場所はないと彼女は思った。沢へ手を浸した。冷たかった。顔を上げた。断末魔の悲鳴がこだました。
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加