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「ごめん、恭子に話してなかった」
わたしは恭子に向かって手を合わせる。
「全く、あんたは、いっつも相談もなく、一人で勝手に突っ走るんだから」
恭子は腕を組んで、わたしを睨む。
「だけど、まあ、そこが面白いんだけど」
直ぐにそう言うと、にやりと笑った。
わたしが恭子と続いているのは、このカラッとした性格による所が大きい。
「で、相手は?」
単刀直入に恭子が尋ねる。
「水口一也くん」
「あの漫画小僧か」
「そう、あの漫画小僧」
わたし達は、顔を見合わせて、二人でくすくす笑った。
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