どうせ

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 奏多は、小顔で、切長な瞳、目鼻立ちもスッと通ったクールなイケメンだ。  高身長で、スポーツ万能、勉強でも常に上位に位置し、おまけに優しい。  全くもって非の打ち所がない男である。  ただ、そんな男であっても、幼い頃から、ずっと見てきたわたしにとっては、それが当たり前、ふ〜ん、てな感じだ。  むしろ、恋愛感情などない昔は、運動でも、勉強でも、いつも負かされる忌々しい相手だった。  だから、奏多のことを言われても、そんな特別な感情は湧いてこなかった。
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