お客2

1/2
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ

お客2

霧の夜の森、木々に囲まれたレンガ造り 2階建てのカフェ 「眠れる森のカフェ?」 中学生くらいの少年がカフェに入っていく。 ブルーのパジャマで裸足 「いらっしゃいませ」 賑やかにマスターが挨拶する。 「お好きな席に座ってください」 「僕、お金ない……です」 「お金はけっこうです。何か飲みますか?」 「オレンジジュース、果汁100%」 恐る恐る注文する少年 静かな店内 入って右側のテーブル席に少年 「どえぞ」 「ありがとうございます」 ひまわり柄のコップにオレンジジュースと ストロー その時、ドアが開く 入って来たのはバイト女性と黒猫クロエ 「買い出しから戻りました」 「お帰り」 「あれ?お客さん?」 黒猫クロエが少年の足元へと寄ってきた。 「猫が喋った!!」 荷物をカウンターに奥と振り向き少年と黒猫クロエを見るバイト 「ここは夢よ!夢の世界」 「えっ!?夢……?」 キョトンとする少年は店内を見渡して少し首傾げたが何か納得した。 「お客様、今日は手作りプリンがあるんです。食べませんか?」 笑顔のマスター 「は、はい。食べます」 恐縮する少年 「猫、可愛い」 床に横たわる黒猫クロエの頭から背中を撫でる少年、ゴロゴロ喉を鳴らすクロエ ガラスの皿に昔ながらのプリン 2杯目のオレンジジュース 「美味しい!」 ご機嫌になる少年 食べ終わり店内を見渡し気になってた右側奥へ、ジュークボックスの前で立ち止まる。 「ジュークボックス、いろんな曲が聞けるよ。お金はいらない」 ヒョイとジュークボックスの上に乗る 黒猫クロエ 「お勧めの曲ある?」 少年はクロエに聞く クロエは少し悩んで番号押してスタート押した、静かな店内に波の音が流れる テーブルに戻り目を閉じて波の音に耳を澄ます少年、洗い物するバイト、買い物を分ける マスター カウンターの上で寝る黒猫クロエ 時は過ぎ、いつしかテーブルに両腕を枕に 寝ていた少年が目を覚ます。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!