お客2

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「あ、起きた。何か飲む?」 カウンターをフキンで拭いてるバイト女性 ジュークボックスから聞こえる波の音が止まっている静かな店内 「僕、光を見たんだ。街明かり、遠くに駅の明かり、商店街入口の交差点、走る車のライト、綺麗だった」 少年は身の上を話し始めた。 中学校で男女5人からのイジメが1年以上続き少年はマンションから飛び降りた。 「大人しいからイジメられるんだよ!」 「クロエは黙って、5人相手は無理でしよ!」 いつもひと言多いクロエ、注意するバイト 「どうぞ、オレンジジュースです」 マスターは新しいオレンジジュースを少年の テーブルに置いた。 「ありがとうございます」 「僕……帰ろうと思う。友達に会うよ」 オレンジジュースを飲んで少年は手を振り、外へ出て行った。 マンションの1室、部屋の明かり付いたまま ベッドに上半身乗せ顔を伏せてる少女 消える黒い影 一戸建ての風呂場で沈む少年 駅のバス停で倒れる少年と少女 マンションの暗い部屋、ベッドの上で仰向けに横たわる少年を窓の側から黒い影が見ている、その表情は大きな口を開け笑っている。 カフェに来た少年だ! 『1人は寂しいよ、前は友達だったよね?』 眠れる森のカフェ 今夜も迷い人が訪れる 「殺したら悪霊になってしまう。冥界で転生待ちできなくなる」 新しいお客は「そうですね」と頷いた。
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