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2.
「颯太、よく来たなあ」
おじいちゃんは駅の新幹線のホームで僕を見つけると、僕の頭をくしゃくしゃにして歓迎してくれた。
お母さんが用意して持たせてくれたお土産の袋をおじいちゃんに渡すと、ホームを降り改札を出て、駅前駐車場に停めた車でおじいちゃんの家へ向かった。
「岩手は久しぶりだな。従兄の彰が部活から帰ってきたら、どこか連れて行ってもらえ」
「うん!」
岩手は小学一年生の頃に来たきりだから三年ぶりだ。
僕には彰っていう従兄のお兄ちゃんがいるらしい。でも、彰兄ちゃんはお父さんの仕事の都合でずっと外国にいて、昨年帰国したばかりなので、僕は今まで一度も会ったことがなかった。お兄ちゃんの一家はおじいちゃんと同じ集落に住んでいるそうだ。
おじいちゃんの家は、車で30分程行った農村部にあった。集落のすぐ裏には小さな山があり、川も流れ、自然豊かな場所だ。
おじいちゃんの家に着くと、おばあちゃんがお昼ご飯を用意して待っていてくれた。
三人でお昼を食べると、二人とも今日は特に暑いと言って昼寝してしまったので、僕は一人で家の探検をした。
母屋の他に大きな蔵があり、広い庭に出ると小川が流れていて、鶏が放し飼いにされていた。
「お前誰だ」
突然、後ろから声がして、僕はびくっとした。
振り向くと、僕より少し年上の男の子が立っていた。
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