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「彰兄ちゃん?」
「お前は誰だ」
「ぼくは寺島颯太。お兄ちゃんのお父さんの弟、康太の息子だよ」
「あぁ、お前、康太の息子か」
自分の叔父の名前を康太と呼び捨てにするなんてと、僕はびっくりした。
よく見ると、彰兄ちゃんはランニングシャツに半ズボン、麦わら帽子を被りビーサンを履いていた。
外国帰りのおしゃれな男の子ってイメージには程遠く、確か野球をやってるとおじいちゃんが言っていたけれど、髪は坊主刈りで真っ黒に日焼けしていた。言葉も乱暴だ。
いかにもわんぱくな感じが、ぼくが一番苦手とするタイプだった。
「まぁいいや、来いよ。遊んでやる」
断る間もなく、僕は引っ張られて庭の外へ連れ出された。
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