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 僕はそのあと、彰兄ちゃんと近所の野原や山や川で遊んだ。  それはびっくりの連続だった。彰兄ちゃんは、いろんなことを知っている。  甘い野イチゴがある場所や、コゲラという小さなキツツキの巣があるところ。見るとぎょっとするけど、毒がない蛇が沢山いる草むら。  川では、小さな魚を捕まえる方法も教えてくれた。喉が乾いたら、とっておきの湧水が出る場所に連れて行ってもらい、ごくごく水を飲んだ。  こんなに走り回ったのは、去年の運動会以来かもしれない。 「いいか、絶対にあっちの滝には近づくなよ。滝壺に落ちると、上がってこれなくなるからな」  川遊びの途中、彰兄ちゃんは川の上流に見える滝を指さして言った。 「う、うん。わかった」  泳ぎがあまり上手じゃない僕は真剣に肯いた。  遊んでいる途中で、「あれ? アキラ、そいつ誰?」と近所の子供たちが二人やってきた。  背の高い子と、ちょっと太めの子、どちらも僕と同年代で、わんぱくな感じの子だった。 「うちの親戚。東京から来たみたい」  彰兄ちゃんが中途半端な紹介をするので、「て、寺島颯太です」と僕は自分で名前を名乗った。 「なんだ、アキラ、やっぱり寺島んちの子だったのか」と背の高い方の子が言う。その子は僕に向かって、「俺、辰也(たつや)」と自己紹介してくれる。 「僕、真司(しんじ)、よろしくな」と、もう一人、ちょっと太めの男の子が言う。  聞けば二人とも、僕より一つ上の五年生だった。  彰兄ちゃんのお陰ですぐに二人と仲良くなり、気づいたら夕暮れまで夢中で遊んでいた。
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