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1.
夏が来ると、僕は父の田舎での出来事を思い出す。
楽しかった夏休み。そして、彰兄ちゃんのことーー。
小学四年生の夏休みのことだ。
父と母が仕事で忙しく暇を持て余していた僕は、八月に入る頃、岩手の父方の祖父の家に一人で遊びに行った。
父が出勤途中に東京駅まで送ってくれて、新幹線に一人で乗った。岩手では祖父が駅まで迎えに来てくれることになっていたが、初めての一人旅は僕にとって大冒険となった。
それが忘れられない夏休みの始まりだった。
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