演奏会に行った

「今日の演奏会なかなか良かったな」と僕。
「ペールギュントがよかったわ」と基子。
「ソルヴェイグの歌か？」
「あれ、ええわ」
「映画『影武者』の予告編で使うてるで」

＜信玄亡き武田の軍艦が行く、しかし彼らはその死を知らない・・・＞
https://youtu.be/lAGx_BqLil4

「信玄は清和源氏や。うちとこと一緒や」
「何それ？」
「うちの家も清和源氏や。」
「うっそー」
「ほな、ウィキペディアで調べてみいや」
基子はウィキを調べた。
「あ、ホンマや。あんたが言うたら嘘くさいわ（笑）」
「何ぬかすか、ひょっとこオバケ！」

「演奏はまあまあやったな」
「でも上手い方やったやん」

それから数日たってゴールデンウィークになった。
僕たちは、予定通り近所のステーキハウスへ行った。

「美味しかったなあ」
「あんたが一番たくさん食べてたわ」と基子。
「いやー、生ビールの中を３杯も飲んだら、腹いっぱいや、ハハハハ（笑）」
「あんた、酒弱いって言って、ようさん飲むなあ。帰りに薬屋でバーボンでも買うたらよかったのに」
「そんなに飲まれへんで」と僕。
基子「子供ら連れて行ったらうるさいかなと思うたけど、大人しいな。
あんたとエライ違いやで」
「そういうお前こそ、ジョッキ４杯飲んだやんけ」
「あんなん少ない方よ」
僕は気分が乗ってきた。「おう、ビートルズでも聴こうぜ」
「何の曲？」
「忘れじの人、アイ・フォーガット・トゥ・リメンバー・トゥ・フォーゲット、よ」
https://www.nicovideo.jp/watch/sm42163796

僕「明日はどこいこ？」
基子「ステーキハウスの向かいに焼き鳥屋があるから、そこで皮でも食べへん？」
「ええなあ、連休におもいっきり飯食うって、ストレス発散になるわ」
「それにしても、店すいとったな。」
「時間的なもんちゃうか？夕方やからな」
「焼き鳥屋やったら、子供連れて行かれへんな」と基子。
「おかんもカウンターとかしんどいで」と僕。

僕「あ、ところでな寅さん（男はつらいよ）の最初の頃に、とらやさんにお手伝いさんがいるだろ？
女の人だよ。その人の名は『友ちゃん』って言うんだ。俺は『基ちゃん』の方がいいけどな。」
基子「なんでそんなのわかったの？」
「テレビに字幕放送ってあるだろ？あれでみてたら『友ちゃん』って出てきたんだよ。」
「へえーそうなの」
僕「ところでうちのバンド解散しそうだよ。メインメンバーが脱退したからな」
基「どうすんのよ、あんた」
「いやあ、他のバンドもあるし、自分でソロで弾くこともあるからな。
まあ大丈夫よ。」

僕「あ、八木梨可子、あのドラマの子、あれ、ネットで人気あるで」
基「あの１６９ｃｍ？惚れてんの？」
「まさかーｗｗ」

さあ、１日経って、５月３日にもまた、レストランに行った。
先ずは、ビールのジョッキで乾杯だ。
子供たちはクリームソーダだ。
「乾杯！」
ビールはぐいぐいと胃の中に入って行く。
僕「うまいなあ。基子は相変わらず酒強いなあ」
基子「美味しいわあ。何杯ぐらい飲んだろう？」
「５杯ぐらい飲もうか？」
「１０杯ぐらいは飲めるで」
食べるもんは鶏肉。
鶏肉にオニオンスープ。

「仰山食べるなあ」と基子。
「そらそんでええねん。連休は大食いしようというのが目標やんけ、」と僕。
子供らはお子様ランチ。ミニ・オムライス。
おかんは、うどん、素麺。
生ジョッキは５杯までいった。
でも悪酔いはしてない。
お腹いっぱいだ。

基子「ここ、焼酎置いてないの？」
僕「やっぱり焼酎がええんか？」
「うん、ビールに焼酎を足して飲みたい」
「ここは、そんなん置いてないで」
「家から持って来よかな？（笑）」

僕「なあ、ちょっと質問があるねんけどな」
基子「またエッチな質問」
「いや、ちゃうねん、大真面目な質問よ」
「何よ」と言いながら、基子はたらこスパ食べてる。
『切腹』って自〇か？」
「あ、〇殺やろ。そらそうやで」
　僕は次のジョッキを飲みながら
「そうか？切腹って大概、自分の意思でしなけんで。」
「あ、言われてみたらそうやな」
「ほな、自〇とちゃうやん」
「うーん」

僕「浅野内匠頭かて、切腹やろ？あれ、自分の意思ちゃうやろ？
　上の命令で腹斬ったんやん。」
基「すると自〇ではないの？他殺なん？」
僕「いや、正しくは、自分の意思でない、他人の意思で、自〇するねんから
やはり、違うで」
基子はデザートを食べながら、
「で、何でそんなこと訊くの？」
「いや、、、ちょっとな」
「赤穂浪士４７士みんな切腹やで」
僕「映画『切腹』の津雲半四郎も切腹や。あれも、自〇ちゃうように思えるな」
基「人の意思で腹斬らされたんやで。」
良太「何か物騒な話やな。何いうてんのん？」

みんなは沢山食べた。
美味しかった。
ビール生ジョッキもやはり５杯飲んだ。
「明日も焼き鳥屋でも行くか？」
「いや、もうええで」と基子。
「今日は食べ過ぎたな。明日は休もう。」
「もう、沢山食べに行かんでええわ。」
ごちそうさま、だ。

明日から、普段食べてる量に戻る。